様子が少しおかしい

王女様との楽しいひと時は突然終わりを告げた。
入口から入って来たサングラスをかけたスーツ姿の男の人、王女様の護衛が迎えにやって来たからだ。
帰るのを渋っていた王女様も、護衛の人に急かされて仕方なく席を立つ。


『とても楽しかったわ!』


『ディベート大会でまた会いましょう』と言って、喫茶店を出て行く王女様をみんなで見送ったんだけど…。
窓から様子を窺うと、その護衛の人の様子が少しおかしい。
エスコート役の浅野君を突き飛ばし、王女様だけを車の中へと押し込んでいた。
それからしばらくして『助けて!』という声が聞こえて、僕達も慌てて外へと飛び出した。
だけど、車は既に発車してしまい、それを浅野君が追いかけている状態だった。


「オレ達も追いかけよう…!」


磯貝君の掛け声に、みんなが頷く。
辺りを見渡せば、あそこから屋根に上れそうだ。
みんなも同じことを思っていたようで、目が合った。

フリーランニングの要領で屋根と屋根の間を飛び越えて追いかければ、王女様を攫った車を捉える。
車は住宅街を抜け、人気のない場所で止まった。

屋根の上から息を潜めて様子を窺う。
男は王女様を車から降ろすのに手こずっているみたいだった。
男のうめき声が聞こえた後、王女様が反対側のドアから出てくるのを確認する。
王女様はそのままこちらへかけて来た。
それを追ってこちらにやって来た男めがけて、みんなで飛び降りた。

子供だと思ってなめていたこともあり、あっさり男の確保に成功する。
どうやら、王女様を暗殺しに来たみたいだ。
誰の指図なのか吐かせようとカルマが楽しそうに犯人を弄っていると浅野君がやって来る。
肩で息をしながら「君達、どうやって…」と聞いてきた浅野君は優良ちゃんも一緒にいることに気づき、目を丸くして驚いた。



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