狂ったお茶会…?
不思議の国のアリスはアリスの夢だったと思うけど、何故か僕はチェシャ猫だった。
(…、うん、猫で良かった)
いくら夢の中だとしても、女装はちょっと…、嫌だ。
そんなことを思っていると、木々の生い茂る場所から開けた場所へと出た。
「わ…」
目の前に広がるのは、綺麗に手入れされた庭と大きなお屋敷。
それに見入っていると、カルマ君に「渚君、こっちこっち」と呼ばれた。
「え…!勝手に入っていいの…!?」
カルマ君は庭を突っ切って、屋敷の中へと入っていく。
…ノックしてないけど、いいのかな。
カルマ君の後に続いて、恐る恐る屋敷の中へと入った。
(ひ、広い…)
落ち着いた雰囲気ではあるけれど、広さに圧倒される。
…玄関なのに、僕の家より広い気がする。
(誰もいない…?)
これだけ広ければ、使用人の一人や二人いそうな気がするんだけど。
人の気配がしない屋敷に首を傾げているとカルマ君に「置いてくよー」と声をかけられ慌てて追いかけた。
玄関ホールを突き抜ける形で進むと、再び扉があった。
その扉を開ければ、またしても手入れの行き届いた庭に出る。
周りが建物で囲まれている所を見ると、中庭みたいだ。
その中庭を少し進んだ先にテラスが見えて、そこに数人の人影が確認できた。
(…!!?)
優良ちゃんだ…!
でも驚く所はそこじゃなくて、優良ちゃんの両隣…!!
シルクハットをを頭に乗せて、優雅にティーカップを持っている理事長と、ウサギの耳をつけた浅野君。
その真ん中でとても楽しそうに笑っている優良ちゃんは、ネズミの耳のついたずきんをかぶっていた。
(…)
そんな浅野家が囲むテーブルの上には、色取り取りのスイーツが並んでいて、お茶会を開いていることは一目瞭然だった。
…アリスの世界でお茶会と言ったら、帽子屋と三月ウサギとネムリネズミの"狂ったお茶会"くらいしか思い当たらない。
見た感じ、狂ったようには見えないけれど、優良ちゃんがいるからなぁ…。
関わってはいけない気がして、カルマ君に声をかけようとカルマ君の方を向いたけど、そこに彼の姿はなかった。
「?あれ、カルマく…!?!?」
カルマ君…!!!
僕の心の声も知らずに、カルマ君は理事長に声をかけていた。
「あ…!渚くんもいらっしゃい…!」
そして、僕の存在に気付いた優良ちゃんが嬉しそうに歓迎の言葉をくれた。
…うん、お邪魔してます。
*
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CrystalpalacE