「さつま、越前は来てないのか?」
『え?いないですか?……………恐らく遅刻かと』
日曜に部活あるよってあれほど伝えたのに…、越前のやつってば
***
「青学ーファイー」
「青だ、青っ!ブルー」
「赤!!」
「へぇー、面白い練習してんじゃん。ま、どうでもいーや、手塚さんは…っと」
「あれ?他校生だ」
『あの、何の用ですか?』
「ん?……君は?うちの生徒じゃないようだけど」
乾先輩考案の練習をしていれば、他校の生徒が様子をうかがっていた。
「うお、もう見つかった!」
『結構前からみんな気付いてましたよ…』
「バレちゃしょうがねぇ、立海大付属中2年エース、うわさの切原赤也って俺のことっス」
「……立海中、神奈川代表が何の用かな?」
え?わざわざ神奈川からここまで来たの…?
「ウイッス!ちょっとばかしスパイに…」
「スパイだと?」
「荒井どうした?」
大石先輩が立海中の切原さんに優しく話しかけた横で、荒井先輩は怒った様子で切原さんを睨みつけている
「おっ、見つけた。あんた手塚さんだろ?立海の先輩達も一目おいてる」
そう言った切原さんは手塚部長の元へ寄る
『ちょ、あの練習中なんですけど……』
「お、おい」
「昨年の関東大会の団体戦でウチの先輩を破ったのあんただけだし…いやーちょっとお手合わせしたいなぁ!!」
さっきから切原さんに無視されるんだけど…大石先輩までも無視されてる
「部外者は出ていけ」
手塚部長ってばドストレート…。
「そんなー手塚さん1セットでいいっスよ?堅い人だなぁ」
手塚部長からドストレート攻撃受けてもめげない切原さん、強し…。
「…」
「こーんな顔ばっかしてると疲れちまいますよ」
そう言う切原さんは眉間に指をあてていた。確かに部長ってばよく険しい顔してるけどね、
「おいコラクセっ毛!!うちの部長き失礼なことしてんじゃねぇよ!!」
切原さんの失礼な態度に腹が立ったのか荒井先輩は切原さんの背後からテニスボールを持っていたラケットで打った。
「とっとと出ていけよ!!」
「バカ!荒井!!」
『危ないっ!』
途中大石先輩が止めたが間に合わなかった。だが、切原さんに当たる直前に本人がラケットでテニスボールをキャッチした。
「俺のショットをイナした!?」
驚く周囲。そんな周りを気にせず切原さんは言う。
「…横から口はさまないでくれる?手塚さんさぁ、別に深い意味じゃなくて1球、2球交えようって言ってるだけじゃん、そんなシカト気分悪いなぁ。─アンタ潰すよ」
なーんて、と笑う切原さん。手塚部長に対して失礼すぎないか!?!?
「おーい荒井くんボール返すぜ!」
切原さんは荒井先輩の方向を見ずに背後からテニスボールをラケットで打った。だが、打ったテニスボールは桃城先輩の頬にあたり、持っていたラケットが1年生の頭にあたり、ボールが地面に転がり、最終的には海堂先輩の後頭部にテニスボールがあたり、海堂先輩がブチギレてしまった。
「みんなやめろ!!……あっ切原逃げるな!!」
大石先輩は走り去る切原さんを止めたが、去っていってしまった。
「全員グラウンド30周してこい!!」
大騒ぎな部員達に手塚部長が大声で言う。これ、私も走らなきゃいけないパターン?いやなんですが……。