*キャラ崩壊気味


久々の任務明けの休日、夕方にサスケをアカデミーへ迎えに行くまで何をしようかと思いつつ里をふらふらしていると曲がり角の向こうに見知った顔があった。

「あ、イタチ…」
「…カズラか」

出くわしたカズラもまた今日は休みらしく、偶然とは言え非番の日に口合わせもなくこうやって会えた事に少しだけ気持ちが浮つく。しかも話を聞けばどうやら俺を探していたらしい。にっこりと笑うカズラに心なしか口角があがった。

「で、どうしたんだ?俺に用があったんだろう」

はっと思い出した様に彼女がちょいちょいと手招きをするので近付こうと一歩踏み出したその瞬間腕を掴まれる。そうかと思えばそのままを引かれ、気を取られている間に彼女の手が後頭部に回された。

「っ…!」

まさに一瞬の出来事で驚く暇もなく俺は柔らかい何かに包まれる。ふにっと自身の顔を挟んでいる物の正体を理解した時心音が一気に上がった。

「どう?」
「…、どうと言われてもな」

勿論そころそれどころではなかっだか、動揺を隠しつつあくまで冷静を装いそう言う。顔を上げようにもしっかりと固定されておりどうやら動く事は叶わない様だ。鼻腔をくすぐる香りも伝わる暖かさも独特の柔らかさも全てが毒でくらくらとめまいがしそうになる。

「……以外とあるな」
「……。」

その言葉に彼女は俺の頭をべしっと叩いた。必然的にもっと顔が埋まる、本当に心臓に悪い。そんな俺を他所に彼女はあろうことかそのまま話をきりだす。

「さっきさ、たまたま自来也さんに会ったんだ。で、興味本位でどんな事したら元気出るか聞いたんだよね」
「…その答えがこれだと」
「うん」

質問する相手を完璧に間違っているだろうと思ったがそのおかげで今の状況があると思えば何と無く複雑だ。

「無頓着っぽいとは言えイタチだって男だし、嫌ではないでしょ」
「………まぁな」

年頃になった彼女は最近益々女っぽくなってきており、正直なところ気にならなかったと言えば嘘になるし、触れてみたいと思うこともあった。抱きしめたいとか、髪に隠れた白いうなじに噛み付きたいとか、組敷いてみたいとか…それなりに興味も煩悩もある。が、こんな形でその一つが叶うなんてこれっぽっちも想像していなかった。

「で、さ。イタチ元気でた?」
「色んな意味で元気になりそうだ」
「わー…」

そこでやっと解放される。少しだけ惜しい気もした。そして少しだけカズラの顔が赤い様に見えるのは俺の願望かもしれない。

「やっぱりイタチも男の子だねー」

そう言いながら肘で脇腹をつつく彼女は俺の事を一体何だと思っているのだろうか。やられっぱなしはなんだかシャクなのでぐしゃぐしゃと頭を撫でるとそれをどう受け取ったのか知らないが、にかりとカズラが笑う。不覚にもその笑顔に俺の心はときめいてしまった。


(おーおー!お熱い事でお二人さん)
(自来也さん…!)
(どうだったカズラ、…っておい…イタチお前さん写輪眼で睨む事はないだろうのォ)
(……)



 


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