【4】知ってもらいたい



クロに告白紛いな事をしておきながら、あれからアピールする訳でもなく、双葉は真面目にマネージャー業をこなしてくれていた。


「研磨ー」
「何?」
「これ、明日からの練習試合の日程表。皆に渡しておいて?」
「…なんで?自分で渡してよ。」
「残念ながら、今日は委員会なのだよ!今日行けないし、明日からの遠征はお留守番組だしさ…。あー、4日もクロくんに会えないなんて…辛い…。」


じゃ、よろしくねって自分の席に戻る双葉はいつも通り元気だ。
部室に着くと、みんな着替えていた。
着替えを終えて「うっし、やるか。」と気合十分のクロに日程表を渡した。


「はい。じゃないのよ。主語をちょうだい。」
「双葉から。今日は委員会で来られないからって。」
「あ、そう…。あいつもマメだね。」
「うん、だから双葉、結構モテるよ。」
「だろうな。…って、はぁ?急になんなの?」
「ずっとクロクロ言ってるけど、わかんないよって話。まぁ、俺はなんでもいいけど。」


さ、幼馴染の心をかき乱せたところで、俺も準備しなきゃ。
着替えて体育館に入ると研磨さーん!って駆け寄ってくる長身の一年生。


「うるさいリエーフ。」
「あれ、双葉さんは?」
「今日は委員会だって。」
「そうなのかぁ!って、今日は誰がボール上げてくれるんっすか!?」


あー、本当に面倒臭い。双葉がいればリエーフの相手してくれるのに。


遠征はすごく充実したものだった。
翔陽との出会いはすごく刺激的だったし、次また会える日が楽しみだ。
休み明け朝練に来ると部室が綺麗な事に驚いた。
昨日、宮城から帰ってきたのが遅かったから片付けは明日やろうって放り投げて行った荷物が片付けられていた。


「あ、研磨!おはよう!」
「双葉…おはよう。一人で片づけたの?」
「え?うん!遠征お疲れ様!なんか楽しかったみたいだね!」


当たり前のようになっていたけど、双葉がマネージャーになってから部活が滞りなくやれている。
双葉が全てやってくれるおかげで、一年もスキルアップに集中出来ているのも事実で。


「クロ、遠征中に間違って双葉の事探してたよ。」
「え!?本当!?」
「なんすかなんすか!双葉さん、黒尾さんが好きなんすか!?」
「うん!そうだよ!」
「うわー!双葉さんめっちゃ素直でかっこいいっす!」
「でしょでしょ?」


クロも気づいてないけど、双葉のこと目で追ってるよね。
早くくっつけばいいのに。
面倒臭いな。


(おい、双葉!ドリンク!)
(黒尾さん、朝日奈は留守番組っすよ…)
(おー、亭主関白か、黒尾ー?)
(双葉ちゃんは嫁じゃないよ。)
(クロ、それもう5回目…)


―意識しない様にする時点ですでに。

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