わるいこは 六日目

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ホラー
※友人とのプロット交換作品です

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 次の日は久しぶりの快晴だった。青空を見上げるのは実に何日ぶりだろうか、と審神者はガラス越しに目を細める。さっそく外遊びに繰り出したのか、庭からは短刀たちの楽しげな笑い声が響き、それに混じるように鳥の高く鳴く声がした。長らくため込まれていた洗濯ものは風になびき、パタパタと軽やかな音を立てている。この分ならば、地面にわずかに残る水たまりも、昼過ぎにはすっかり乾くだろう。昨日、歌仙がすぐに雨は止むと言っていたが、その翌日にこうも見事に晴れるとは、まったく不思議なものだなと思いながら伸びをした。
 書類仕事に取りかかる前に腹ごなしがてら散歩するのも良いだろうと、審神者はガラス戸の留め具をパチンと引き下げる。数センチの隙間から流れ込む空気の清々しさに、思わず笑顔になりながら、戸を開け放つ。
 わずかに湿り気を含んだ、雨の名残の感じられる風はひんやりと冷たいが、日の暖かさと相まって気持ちがよい。逸る気持ちを押さえながら、沓脱石の上に出したままにしていた突っかけ履きは無事だったかと、ふと視線を下ろすと、石の端に、白い紙のような跡が貼りついていた。

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2022/05/30

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