トライゲート橋にて4 トライゲート橋の上は、人身売買未遂などなかったかのように車が行き交っている。歩道にも多少人影が見えた。 その中でも目を引くのは、手すりに寄りかかった金髪の少女だ。 白いフリルのブラウスに、パステルピンクのジャンパースカート。手に双眼鏡を持ち、口元に笑みを浮かべて橋の下を見つめている。 ネルガルに所属するサイキッカー、セシリアだ。 「ブルース・ウェイン、ディック・グレイソン……まさかゴッサム一のお金持ちとその養子がバットマンとロビンだったなんてね。なかなか素敵だわ」 彼女は能力を使ってロビンとバットマンの正体を突き止めていた。騒ぎに乗じて少し脳内を覗くだけでいい。記憶と違ってパーソナルデータのみなら、相手は痛みすら感じないだろう。 「でも私、年上は3才までって決めてるからぁー……やっぱりロビンが1番ね! バットマンが留守の時にナンパしちゃおー!」 ひとり橋の上ではしゃぐ少女。 通行人は誰ひとり気にとめていない。 男がひとり彼女の背後を横切った刹那、少女の姿はその場から消えていた。 [しおりを挟む] 目次 戻る |