Bat Apple2「『金髪の少女』に関して詳しい情報を収集するため私はニューヨークへ向かう。今日はバーバラとお前たちでゴッサムの監視をしてくれ」 翌日、ブルースが食堂に集まった祐未とディックに出かけることを伝える。ふたりは互いにわざとらしく顔を逸らしたまま、いつも通りの返事をした。 「わかったよ、ブルース」 「へぇーい」 お互いの距離がいつもより開いているようだ。いつもならここで軽口の応酬などするのだが、それもない。 不思議に思ってブルースがアルフレッドを見ても、執事は肩を竦めて首を傾げた。 もちろんブルースも心当たりがない。 仕方なくもう一度子供たちに視線を向けた。 「……なにがあったかは知らないが、連携はしっかり取るように」 ディックが微かに眉を顰めた。 「なんの話? 別になにもないよ!」 「帰ったら話を聞く」 「なにもないったら!」 「それも帰ったらだ」 ブルースが食堂を出て行き、訴える先を喪ったディックが椅子に座る。固い表情はどこか気まずそうだ。 祐未に至ってはディックに声もかけずバットケイブへ向かった。 少年は彼女の後を追うこともなく、椅子に俯いたまま座っている。 ドアの向こうから彼らの様子を見ていたブルースはため息をつき、今度こそニューヨークへ向かうため歩みを進めたのだった。 [しおりを挟む] 目次 戻る |