ウェイン邸の近くに1台の車が止まっている。警察かバットマンであれば、先日逮捕された売春業者が所有する車だと気づいただろう。
うつろな表情をした運転手は人形の様にハンドルを握り微動だにしない。
後部座席には金髪の少女――セシリアが座っていた。
テレパシーを使用し、上手く警察から逃げ延びたマフィアを手駒にしたのだ。
彼女はウェイン邸を見つめて青い瞳を楽しげに細める。
「ふふ、思ったより動きが早いわね〜」
自分が調べられているという焦りはない。
ゲームを楽しんでいるかのような無邪気で残酷な余裕だけがそこにはあった。
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