消えたdaydream

夢のおわり


 夢から覚めた祐未はバットケイブに横たわっていた。傷口の再生具合から見て5分ほど寝ていたようだ。切断された腕はすでに新しいものが生えていた。
 床に落ちていた自分の肉塊を踏み越え、倒れているアルフレッドに近づく。執事の肩に手をかけて揺り起こした。

「アルフ、アルフ起きてくれ。アルフ!」

 アルフレッドが眉間にしわを寄せ、伏せた瞼をゆっくりと開く。薄く開いた目が祐未を映す。

「ん……私は眠っていたのですかな?」

 素早く身を起こしたアルフレッドがバットケイブの惨状を見て眉を顰めた。祐未の切り落とされた腕を見て硬直した執事に彼女が言う。

「ネルガルのエスパーがやった。バーバラも寝てるしディックは攫われた。パソコン確認したら街のあっちこっちで事故やら火事やら起こってやがる。たぶんあのガキ、街全体をあたしらと同じように眠らせやがった」

「由々しき事態ですな」

 祐未が切り落とされた自分の手を拾いゴミ箱に捨てた。アルフレッドが眉をしかめるが、生憎生ゴミをいれる三角コーナーなんてバットケイブにはない。

「祐未様、ご自分のお体をもう少し大切に扱われては如何でしょうか」

「そりゃあ充分すぎるほど大事に扱ってるぜ。これ以上大事に扱うなら自分で自分を鳥かごにでもいれなきゃいけなくなる」

「意見の相違があるようですね」

「そうかもな。話すならあとで話そうぜ。ワリィんだけど、家族会議より優先させてぇことがある。アルフは警察とかレスキュー隊とか、起こしてくんねぇかな。あたしとバーバラで攫われたディック取り返すからさ」

 執事がすぐさまバットコンピューターにアクセスし、状況を確認し始めた。

「なんとも人使いが荒いことで。わかりました、まずゴードン本部長にご連絡致します」

「サンキュー、助かる」

「お安いご用でございますよ」

 アルフレッドの返事を聞いたあと、祐未はバーバラを起こすため彼女に駆け寄った。
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