神が住まうはとこしえの土地

彼の野望を知るのは簡単なことだった。
誰もが知っていることを、私が知らないだけだったのだ。

「もう、ここへ来て半年は経つだろうに」

指名を受けたのは1ヶ月ほど前だったが、暗殺は未だ成功しない。
気配を消して闇討ちをしようと、寝ている隙を狙ったがまた失敗。

ベッドに押し付けられた腕に紅い髪が絡みつく。
これからどうなるかは、身体が嫌という程、覚えてしまった。

「あなたに興味がなかったので」

声が震える。
この男に狂わされるのが嫌で嫌でたまらない。
涙が落ちるのを追いかけて、男の熱い舌が頬をなぞりあげる。

「…何度躾ても足りぬと見える」

男の指が内腿をなぞるだけで、過剰なくらいに身体が震える。
身体が強張る。それを気取られまいと顔を背けるが、もう何もかもきっと手に取るように分かっているだろう。

「やだ…いや」

勿体つけるように何度も下着の上から往復する人差し指の動きだけで、次の手に備えるように濡れていく身体に絶望する。

「それで済まないのは、貴様がよくわかっていることだろう?」

耳元で囁くように息を吹きかけられて、全身がゾワリと粟立つ。

「くそ!はなせ!」

首を振って拒絶の叫びをあげる。
まるで駄々っ子のようだと自分でも思いながら、呼吸が乱れて、下着をずらして侵入してきた異物の感覚に、いよいよ逃げられないことを悟る。

くちゅ。いやな音。
わざとらしく、聞こえるように指がはう。

「…あっ、ぅ」

涙がこぼれ続ける。

「最近は可愛い反応をするようになったじゃないか」

耳を食みながら、男が仄暗い笑いをこぼす。
快楽の記憶が引きずり出される。

「…もぉ、いやあっ」

まるで彼を狙うことが、交わることをねだっているかのような。
あらん限りの殺意と恨みを、淫らな欲望で塗りつぶされてしまうような屈辱が。

なにもかもどうでもよくなるほど。

「なにが、嫌だと?」

ねっとり、もどかしいほどゆっくりと抽送をする指に、腰が絡みつくように動いてしまう。

「こんなに、して」

胸の頂点に柔らかい電流が流れてだらしない声が出る。
それとは別に覆いかぶさって首筋を噛み付く刺激にキュンと彼の指を締め付けるように感じてしまう。

「はぅ、やだっ、もうやだぁ」

強すぎる刺激で快楽に落とされた躾とは打って変わって、ゆるやかな責め苦に思考が混乱する。

「あぁ、その目だ」

顎を掴まれて、涙に慣れる顔を無理やり正面に向き直される。
男の屈服させんとする劣情の歪んだ笑みが、とても淫靡で屈辱の思いを強くさせる。

「俺を、見ていろ」

ヌラリと立ちそびえる自身を充てがうと、またゆっくりと気だるげに挿入していく。

「…っあ」

はち切れそうなモノが入ってくるだけで、とめどなく快楽が走る。
彼から溢れる興奮が無自覚の電流となって漏れ出し、その事実が屈辱を少しだけ晴らした気分にさせる。

「なんだ、その、表情(かお)は」

不服そうに眉をひそめた男には、事実を伝えまいと口を閉ざす。
ふ、と彼は笑い、その余裕も今のうちだ、と囁いて腰を打ち付ける。

「あっ、あっ」

唇を噛むと、すぐに男の指が口内を蹂躙して、声を我慢できなくさせられる。
秘豆をむき出しにされ、また電流を流されて、頭が真っ白になる。

「やぁああぁあ!やめて!やっーーーー!!」
「もうイッたのか?だんだん俺好みの淫乱な身体になってきたんじゃあないか」

何度絶頂を迎えても、腰つきも電流も止まらない。
タン、タン、タン、タン、とリズミカルに肌が重なる音がする。

膣をえぐるように先端が擦れるたび、だらしない悲鳴が上がり続ける。

「あっ、だめぇ、あっあっーーー!いやぁーー!もう無理、むりなの、あっ、ごめんなさっ…いや、あっ…うそっまだ、いやっーー!!」

ぐちゃぐちゃ、シーツが冷たくなるのがわかる。

「えっ…や、なんかくる、いゃ、とめて、とめてとめて!」

屈服させられる。我慢しきれずに吹いてしまった潮が男を汚す。
支配欲を満たした彼の顔を見て、なぜか反応した膣が切なげに男を締め上げた瞬間、熱いものがお腹に流れ込んできた。

そこで、意識を失った。


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