L0st 終ワラナイセカイ
(出来るなら、雨鎖葵さんの……で……)
痛みは一瞬なんて言うが、きっとそれは嘘。
即死なんて、殆どない。
、宙ぶらな感覚がガクッと落ち始める。
耳を掠める重力に引かれ風を切る音と感覚、寒気に似た身体中を走るざわついた感覚……。
自分は次にどんな姿になるのかを想像する。
真っ赩な花を咲かす?
どす黒い塊になる?
真っ二つになって、少しは綺麗な赤色として、そして黒く醜くなっていく?
地面につま先が触れ、そのままカラダは崩れるように地面に叩きつけられるか、その前に彼のあの美しい鎌で狩られるか……そんなことを考えていた。
もうセカイなんて見る気もなかった。
次に触れた感覚は――痛みではなく、固く震えた破壊の香り……。
「………」
『オレには、お前を失わせることなんか……出来ない』
あぁ、オレはあくまで漆黒月ノ覇王として生きていなければならないのか……
「残月ノ雨鎖葵……」
破壊のその者はビクッとカラダを揺らし、距離を少し離しだす。
閉じたままの瞳で、ただ名を呼ぶ。
「オレを壊(してくれ……」
覇王の名が、漆黒月の名が命じた。
顔に腕に浮かび上がる桜のような紋章が、彼を縛っている。
彼の臨むモノ……、それが一番カナシイと破壊の名を持つ彼は思った。
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