L05t 己ノ酩ニ枷ラレタ力
lo5T 其ホドマデニ死ヲ臨ムノデ在ルナラ、オ前ノ酩ノ力(ヲ解放シテ(ときはなって)ミロ……。
自分の力は己に近づくものの消失。
だから、あの少女(にんげん)も消えてしまった。
此処に人間がやって来る筈はない。
そう……あの時救い(たすけ)を呼ぶ声を聞いたからだ……。
そうして少女と僕は……。
ある日少女は靴を残し消えてしまった。
またこのセカイにひとりきり。
絶望という感情からlo5T(ゼノゥ)が生まれ、セカイを酸ノ雨で覆って、血を欲する剣を携え、悲しみの深い紺色(ブルー)に己の色を塗り替えた。
それが収まると、彼はそこに存在し(い)た。
いっそのこと他者ではなく、僕が消えられたらいいのに……。
「残月ノ雨鎖葵……、オレを壊(ころ)してくれ」
『………っ 出来ない。お前に何と言われようと!』
「残月ノ雨鎖葵……」
――ごめんなさい……
「オレを」
――こんなことをあなたにさせてしまって……
「壊(ころ)して」
――僕の力が僕自身に及べば、ミンナシアワセナノニ……
『………っ やめろ、それを使うな! 漆黒月ノ覇王』
「………」
『オレの身体だ、言うこと利け! こんなことオレ自身は望んでない!』
残月ノ雨鎖葵の意思とは関係なく握られる鋭く大きな鎌。それを振り上げ被りを落とそうとする。
『や、やめ……ろ……』
「これで僕は終われる……、弱い僕を赦してほしい………。
でも、オレを赦すことは出来ない。これがオレの、漆黒月の名と覇王の名に枷られた力だから……」
紫が細く揺らめく。
『オレがっ オレがお前の傍にいるだけじゃダメなのかっ!』
「オレを」
『オレは破壊しかない。お前に何も与えられない! だけど、傍にいるだけでもいいなら、オレはお前の力になる! 破壊しかないDe5tructを持っていても、お前は壊れなかった、壊せないでいられてる。お前のL0stもお前の気持ち次第なんじゃないか。もっとも欲しいものをL0stするのであればオレはそこまでではないのかもしれない。それでも、そう思わなければその力を発動することは出来ないんじゃないか!?』
「――losTもオレだ。彼も失いたくない……」
『お前がそれでいいならオレはもう何も言わない、だから……オレにお前を……』
「L0stの力とオレの名の力は別のモノだ。だから……」
――De5tructさせないでくれ……っ
『オ前ハマダセカイニイナケレバナラナイヨウダ
オ前ハ俺デモ在ルトイッタ、ナラバソノ解放シタ(ときはなった)チカラモ
俺ガ少シアズカッテヤロウ……、今ハソイツノココロヲL05tシテヤルナ……』
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