lo5T 共有感覚


「なぁ、オレは間違っていたのかい?」

「キミはオレなのだから、答えてくれ……絶望(ゼノゥ)

紫色の瞳は揺らいだ。

セカイが波紋を広げる……。

水底に沈んだ光が見えるのに底にはない光。
水底のセカイ。
崩れかけた噴水と白い桜が咲き誇りその花が散っている。
碧いセカイに映える赤味の強い紫の短髪、肌には紋様が浮かぶ。

すっと目を閉じると、赤みの強い髪は青く染まり、目つきも鋭くなる。
手には青味を宿した刃の広い剣。

『お前に話をしているんだ…絶望(ゼノゥ)

「……」

辺りには酸ノ雨が降り始めた。

「何故ワザワザ俺二話シカケル?」

『お前もオレだからだ。オレにもそんな武器があるのかと思うと少しほっとするのだ…』

「意味ノ分カラナイ奴ダ。武器ナド持ッテイナイ方ガイイト言ウダロ……。何故武器ニ興味ヲ示ス?」

『オレにはないんだよ、漆黒月の名と覇王の名を受け継いでしまったオレにはその名とこの翼がそれとなる』

目を伏せるようにそう言った漆黒月。

『……あの野郎が羨ましくなったか?』

絶望(ゼノゥ)が口を開いた。その目は相変わらず鋭く、視界に入っただけで傷が付きそうなほど。

一瞬何のことか分からなかったが、すぐに理解した。
残月ノ雨鎖葵(ざんげつのあさぎ)の事だと。

湖に足を下ろす絶望(ゼノゥ)及び漆黒月ノ覇王(しっこくづきのはおう)

『そうだな、残月ノ雨鎖葵が羨ましい……、そうかもしれない』
彼にも特有の武器がある。
大きな鎌だ。鎖が巻いてある変わったカタチのものだ。そんな危ないものが羨ましいだなんてどこか覇王として欠陥になったのではないかと嘲笑いたくなる。

「お前ハ俺ヲオ前ダト言ッタ。この剣モお前ノ武器トハ違ウノカ? お前の其の翼は俺のモノではないのか?」

『やはりオレはお前と一緒にいたい』

「残月ノ雨鎖葵が気掛かりか…」

雨はまだ降り続く……。
総てを溶かしつくしてしまう酸ノ雨が、漆黒月ノ覇王とその別の人格絶望(ゼノゥ)の居るそのセカイを濡らしていく……。

色味の(たが)う二人、一つの身体に(ふた)つの感情(ココロ)







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