そうさくしゃ


そうさくしゃ

 ……×××?
×××××、××××××××。

……だれだ?
ここはどこ、これはなんなんだ?

「これは、こうして。あー! △△な設定もいいよね!」

………。

「それで、髪の色は○○で…。
そうだ、過去に凄く悲惨なことがあって……」

 青とも紫とも言えない片目を隠した中間な髪。

「風使いで、黒魔法の上手い兄さんキャラでイケメンか…」

黒い装束に身を包んだ青年。

「出来た! 風使いで黒魔術を使うイケメン魔法使い。オレが描くとイケメンってどこ?だけどな…。
あ、名前。名前は…、v[ヴィ]の音を入れて、夜を意味したいな…」

オレは、まほうつかい?

「ドイツ語の夜とv[ヴィ]の音を合わせて。君の名前だよ、ライヴェル」

“ライヴェル……。
オレの名前”

こうしてオレが生まれた。
この指先からオレのイメージが、原型が生まれて、オレが形成された。それからこの創作者はオレの世界を作り始めた。
魔法が主流の世界。オレには師匠が居て、その師匠がオレに黒魔法、つまり黒魔術を教えてくれたらしい。師匠に関してはまだよく知らない。
一応女だとそうさくしゃは言う。
それにだいぶ先になるらしいが、オレにも弟子が出来るらしい。
というか出来ている。設定は上がっているらしいがイメージが浮かばずまだオレに逢わせてはくれない。
フラムという名前らしい。どんな奴なのかは全然想像もつかない。

そんなそうさくしゃを前に、新しい奴がやって来た。

「この子は、この間描いた楽の世界軸が合いそうだな、ライバルバンドのギターとか。
あぁ、でもライヴェルの軸でも…。よし! ライヴェル軸にしよう。
……ライヴェルにライバル心を燃やしてる、黒魔術師で少し[わる]風でライヴェルに憧れてる部分もあって名前に夜を意味するものを含めた名前……。それでいてどこか冷たい感じで。
ああ、配色がぁあああ!!! 『生存!悪魔使い』のリーダーに似てる…。違うんだよ、こう、ふわっと毛先に青と赤っぽい色のグラデーションが…!!」

 オレのライバルらしい。
銀髪で片目をうっすらと隠している毛先が赤と青をくぐらせたその男は、レイア=グラスと言った。

“初めましてだな。
オレはライヴェル、お前のライバルらしい。でも今は創られたこと、出会えたことに嬉しさを感じている。よろしく”

“敵になるかもしれないのにか?”

“そうだな、それでもきっとお前はいい仲間になる気がする。
オレをこんな風に生まれさせたせいさくしゃなら……”

真っ白な一面の世界に、文字で生まれる鮮やかな世界。
そしてまた違う人格[キャラクター]が次々と生まれて来る。

“あー、また吸血鬼だな”

“多いよな、吸血鬼が生まれて来る確率”

“まぁ、オレ、そうさくしゃのパラレルで、吸血鬼に襲われてるしな……。まだ増えると思うぜ?”

“私の事を言っているのだな”

薄い水色の入った銀髪の片目隠しの少年の面影を残す吸血鬼。

“か、カテーナ…”

“しかし、こうしてみると本当に吸血鬼だらけではないか……。私たちイゾリータの双子以外にもこれほど吸血鬼だらけとは…”

“私と冬月の生活にもまだ続きはあったというのにな”

“やめろこの物好き吸血鬼!”

“それに残した謎もあるしな、あれは結局病気なのか?
大分血を頂いたが、私に特には変化はない。お前もあまり咳き込んだりしなくなっただろう”

“お前には関係ない”

多種多様にオレたちは生まれてきた。
そうさくしゃの想いが、願いが込められて。

“そうさくしゃが居なければオレたちは存在しない。けど、オレがホームレスなのはさておき、なんでこんな吸血鬼に!”

“私の屋敷に来るか? 村の掟で村の人間には手を出さないと誓っているが”

“村!? 街じゃなくて!?”

“街? 街とは何だ? シエル?”

“オレに振るな。お前の方が物知りだろう……”

“街とは一概には言えないけど、賑やかで多種多様な建物が混在しているものかな。もしよければ、遊びに来てください。 未成年でなければ、Bar.let downはいつでも歓迎しますよ”

“……お、お前も吸血鬼か?”

“さぁ? それはいずれ解りますよ?”

細く結った黒髪の青年が微笑む。見た目でそう思ったホームレスだった冬月[かづき]

“冬月にはまだ早いだろ”

“んだと!? オレはもう20は越えてんだ!”

“じゃあ今度私たちは行ってみようか、楽しそうだし。ね? シエル”


生まれてきた、この指先によって。やって来たこの感情を……
なんと表したらいい?




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