32.レッツ 舞空術!!


天気の良い昼下がり。
この日、こっちの世界に来て初めて…孫家のインターフォンが鳴った。
そういえば…今までインターフォンを鳴らすような常識人はココには来たことなかったなぁ。
…なんて思いながら、ドアを開けてちょっぴりびっくり。

「こ、こんにちは」

どこか息も切れつつ、帽子を取りながら笑顔で挨拶を返してくれるその人。
見知らぬ人だけど服装からして、宅配業者…だろうか。
目をパチクリしているあたしにその人が差し出した荷物。

うん、確かにあたし宛だ。

サインをして受け取って…そのまま帰ろうとするその人を思わず呼び止めた。
だって、こんな遠方のパオズ山まで来たんですよ、この人!
しかも途中ででかい鳥の巣にでも突っ込んだのかな…
その頭にはでっかい鳥の羽まで突き刺さっているんだもん。
だから、ちょっと休んでいったらどうですか…って。
でもその人は笑顔であたしに一礼して一言。

「いえ、それでは会社の閉社時間までに間に合わないのでっ」

…って。
ジェットフライヤーが遠ざかっていくのを見ながら、心の底から思った。


どうも、お疲れ様ですっ!!!




『見上げれば同じ空。<32>』




「ん〜、うめぇ〜!」
「ははっ、よかった」

毎日欠かさず修行に出かける悟空だけど、この時間は必ず帰ってくる。
お昼ご飯の時間にはしっかり…すごく、悟空らしい。
大量の焼きそばを作り終えたあたしは、悟空の向かいに座って一緒に食べながらその笑顔にちょっぴり幸せな気分になる。
“美味しい”って食べてくれる人がいるってこんなに嬉しいもんなんだなぁ…
最初は作る量に悪戦苦闘していたあたしだったけど、最近ではそれも少しずつ慣れてきたみたい。

「ん、何だ?オラの顔に何か付いてっか??」
「ううん、良い顔して食べてくれるなぁって」
「そっか?だって本当にうめぇもんな!」

笑いながらそう言って、悟空は最後の皿を完食した。
そして、ふと気付いたようにあたしのことをじっと見て…

「そういや名前、今日は見たことねぇ服着てんだな」
「へ?」

と、そんなことを言ってきた。
思わずキョトンとして焼きそばを口に運んだまま、瞬きを繰り返してしまうあたし。
びっくりした…悟空がそんなことに気付くとは思っていなかった。
だって、ねぇ…そういうのは鈍感そうじゃないですか。

「あ、うん。実はブルマさんから小包が届いて、開けたら中にカプセルがいっぱい入っててね」
「ブルマから?」
「そう。で、試しにカプセル放ってみたら中に服がぎっしり詰まってて」

そうなんです、今までは前に会ったときブルマさんがくれた数着を洗濯して着回していた。
あの時、たしかに「今度あげる服まとめておくわね〜」なんて言ってくれていたけど…まさか、こんなにどっさりくれるとは。
まだ開けていないカプセルの数を考えると…ちょっぴり恐ろしくもなる。
今度、お礼を言わないとなぁ。

「に、似合うかな?」

照れ笑いしながら、悟空に冗談っぽく聞いてみた。
ブルマさんらしく露出の多そうな服が正直多かった…(笑)
その中からあたしが着られそうな服を選んできてみたものの、あたしはブルマさんみたくセクシーじゃないもん。
ちょっぴり心配にもなる。
襟元がそれなりに開いてはいるけど、可愛いデザインの上着にプリーツのスカート。
…ど、どうでしょうか…

「ん〜」

悟空はあたしをじっと見たまま、何やら考えている。

「大丈夫なんじゃねぇか?名前は可愛いかんな、何着てもおかしくねぇぞ」
「…へっ…」

思わずキョトンとするあたし。
悟空さん…今、何言いました?
みるみる真っ赤になるあたしの顔。

「名前、トマトみてぇになってっぞ。オラ、何か変なこと言ったか?」
「うっ、ううんっ、大丈夫、気にしないで!!」

不思議そうにする悟空に慌てて首を横に振った。
これ以上詮索されてたまるか、恥ずかしいっ!!!
でもそこは悟空らしいところ。
ま、いっか…と話を切り上げてくれた。

「あ〜、食った食った」

満足そうに伸びをしながら悟空が席を立つ。

「あっ、あのね、悟空っ!」

そんな悟空にあたしは慌てて声をかけた。
ん、何だ?と言いながら、あたしのことを見下ろしてくる悟空。
危なかった…悟空の言葉に惚けていて、言うタイミングを逃すところだった。

「あのさ、無理だったら…いいんだけどね?」
「ああ」
「これからって、忙しい?」
「忙しい、っていうかまた修行の続きをしようと思ってたけど…何だ?何かあるんか?」

聞き返してくる悟空にあたしは意を決した。

「あのね、悟空たちの言う“気”ってあたしにもあるのかな?」
「ああ、もちろんあっぞ。誰にでもあるもんだからな」

今だ!言え、あたし!!

「悟空、あたしに“気”の使い方、教えて!」

言ったっ!!!

一気に言い切って、あたしは悟空を見上げた。
すると…どうでしょう。
悟空はこれでもかと言うくらい嬉しそうな顔をしている。
目がキラキラと輝いている…あ、あれ??

「よしきた!」
「え?」
「やっとその気になってくれたんだな!よしっ、オラがうんと強くしてやっからな!!」
「っ…」

ちっ、違うしっ!!!!

「悟空っ、あたしはそういうんじゃなくて、舞空術を習いたいの!」

嬉々としている悟空をちょっぴり申し訳なくも思いながら、あたしは必死で説得しました。
そんな訳で…
レッツ 舞空術!!


『ネタ希望アンケートより頂きました。ありがとうございました!』

“悟空に舞空術を教えてもらう”
いただいたコメントは以下です。

○匿名さま
是非悟空に優しく教えてもらいたいです!

○かなさま
ほんわか甘がいいです!!

○みくさま
ドラゴンボールの世界に行ったからには飛びたいです!

○咲夜さま
悟空 愛してます

○サナさま
悟空と一緒に空の散歩とかしてみたいですね

投票だけの方もありがとうございました!!