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▽▽▽

「これ、今日のA組の結果だよ」


はい、と渡されたビデオデータをオールマイトから受け取った相澤は、「ありがとうございます」と彼にすぐ背を向けようとする。そのすげない態度に、


「おいおい、もっと何かあってもいいじゃないか!」
「何かってなんですか」
「生徒それぞれの様子がどうたったのか気にならないのかよ!」
「ビデオみたら分かるんで」
「んーー素っ気ない!!!!」


いつもの調子のオールマイトを横目に、はあと相澤はため息をついた。


「緑谷と爆豪のことはリカバリーガールの方からも聞いてますよ。ったく、二人して怪我して終わりの方はほとんど喧嘩だったらしいじゃないですか。何で止めないんですかね…」
「うっ、まあまあそれは…。あ、でも、君んとこの苗字少女!村田少女と合わせてしっかりチェックしておいてくれと頼まれてただろう?ふたりは偶然にも対戦相手になってね。苗字少女は最終的には負けてしまったが、かなり彼女は良かったよ!」
「苗字?」


半ば強引に話を逸らされたことにまたイラっとしながらも、彼の言葉にその女生徒のことを見ていて欲しいと彼に頼んだことを思い出す。
オールマイトは頷いて話しだした。


「ああ。彼女はヒーロー側として、ヴィラン役の村田御影少女を捕縛する方だったんだ。きっと、個性上ほかのヒーローのサポートをするほうが向いているからだとは思うが、決め手には確かに欠けていた。だがビル内の移動の仕方も冷静だった。K・L組は人数の関係で両者単独での演習にしたんだが、パートナーがいないにも関わらず彼女は焦ることなく動けていたよ。まあそれは村田少女の方もなんだけどね」
「…」


苗字なまえと、村田御影。相澤はその二人のデータを思い出していた。
苗字なまえはワープという希少な個性の持ち主で、入試のときもロボットとロボットをぶつけ合うことで倒し、複数のポイントを稼いでいたのを覚えている。珍しい個性であることもあり入試の時も見ていたが、特に周りと目立ってどこかが秀でているという印象は、相澤は持ってはいなかった。それは苗字の控えめな性格によるものもあるのだろうが。
一方で、村田御影のほうが目立つといえば目立つ方な気がした。明るく溌溂とした村田は、クラスメイトたちとすぐに馴染んで仲良くやっている。まだ学校生活が始まったばかりだが、なにかあると皆をまとめたりすることも既に何度かあり、リーダー的な資質も持っていると感じていた。きっと今度の委員長決めの際も彼女は選ばれやすいのではと(まあだいたいの者は自分に入れるのだが)思っていたくらいだ。
この二人は先日、自分が実施した体育測定で個性を使用しなかったため、今回の戦闘訓練で前回に確認できなかったところを見ておく必要があったのだった。


「じゃあまあ見ておきますんで、オールマイト先生は仕事に戻ってください。あんたこの間起きた事件のことで塚内さんに呼び出されてたんじゃなかったんですか」
「あ、ああそうだったね。じゃあ後は宜しく!!」


しっしっと追い払うようにオールマイトを退出させる。そそくさと部屋を出て行ったオールマイトを見送ってから、相澤は改めて受け取ったデータをパソコンへとセットした。


(苗字なまえと村田御影ね)


始まった動画を見るべく、回転式タイプの椅子にぎぃと腰掛ける。青白く発光するモニターは、今日の訓練の様子が映し出されていった。