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目の前に広がる災害演習場の施設。ありとあらゆる災害を想定して作られたそこは、雄英だからこそ出来るとても規模の大きい演習場だ。「すっげー!!!」興奮気味に周りを見渡す皆と一緒に、整列する。今から説明を行ってくれるのは13号先生だ。


「スペースヒーロー"13号"だ!災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わーー!私好きなの13号!」


そう言う緑谷くんは、さすがヒーローにとても詳しい。隣でお茶子ちゃんも嬉しそうにはしゃいでいる。自分の憧れのヒーローから直接教えを受けられるというのはとても貴重な経験だ。私も未来にいたころは、戦闘よりも災害救助に参加することが多かった。ワープの個性は単独での交戦よりも、大人数を非難させたり障害物を退かすことのほうが適当だ。


「今日、オールマイトはいないのかな?」


隣にいた御影がこそっと耳打ちしてくる。たしかに、先生は13号先生と相澤先生だけだ。この後に起こる戦闘の終わりにオールマイトは駆けつけてくれるのだが、今の段階ではまだいない。
「ね、本当」御影にそう返しながら、13号先生の説明に耳を傾ける。


「皆さんご存じだとは思いますが僕の"個性"は"ブラックホール"。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その"個性"でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」


緑谷くんの言葉に、13号先生は頷く。そして


「しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう"個性"がいるでしょう」


先生の言葉に、皆の雰囲気に静けさが広まった。人を殺せる個性。先生の言葉に、私も自分の掌に視線を落とした。ワープの個性は人を殺すことができる。たとえば、人の身体に触れてから頭の部分だけを選択して使用することで胴体部分と切り離せるし、皮膚のみを剥がしてしまうことだってやろうと思えばできる。
個性とは、持ち主を助けること以外にも苦しめる原因になるのだ。ちょうど、焦凍くんがそうだったように。


「相澤さんの体力テストで自身が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います」

「この授業では心機一転!人命の為に"個性"をどう活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。救ける為にあるのだと心得て帰って下さいな」


「以上!ご清聴ありがとうございました」ぺこりと一礼して締めくくった先生に、皆から歓声が上がる。
右隣にいる爆豪くんは「前置きはいいからさっさとやらせろ!!!」と言っていて、それがなんだか未来にいる彼よりもずっと幼く見えて思わず吹き出してしまった。


「あ?お前なに笑ってんだよ」
「、っいやごめんごめん、笑ってないよ」
「笑ってんだろーが!!!」
「オイそこ二人、ちゃんと説明聞け」


相澤先生からの注意が飛んでしまった。気を取り直して、前を向く。敵連合の襲撃まで、あとほんの数秒だ。


「そんじゃあまずは…」


と、相澤先生が支持を出そうとした時だった。


(−−来た)


ーこういう時、自分もワープの個性を持つからだろうか。
ぐに、と噴水付近の空間が歪むのが分かった。

ずず、ず。
黒い影にも似た空間が現れ、そこから覗いたその顔。長い前髪から覗いた落ちくぼんだ虚ろな目ー


「一かたまりになって動くな!!!!」


「え?」
「13号、生徒を守れ!!!!」


ー任務開始だ。