それは神のお告げ

ライブラの面々が情報を求めて奔走している頃、エルは珍しく教会の敷地外に出ていた。
細い路地に入り、何をするでもなく入り組んだ道をフラフラと歩いていく修道女に男達が目をつけない筈がなかったのである。

「そこのオネエサン。こんな所で1人?」
「危ないよぉ?」
「オレらが道を教えてあげるぜ」
「それとも一緒に遊ぶかい?」

男達が周りを固めエルの肩を抱き下卑た笑みを見せながら更に奥へと促そうとする。そんな男達にエルが綺麗に微笑んだ、その瞬間


グシャリ


何かが落ちた

エルは落ちたモノを拾い上げ、肩を抱いてきていた男に微笑みながら差し出した

「落としましたわよ。大事なモノじゃないかしら?」

綺麗な微笑みをみせるエルに鼻の下を伸ばしながら手の中にあるモノを見て男達は一斉に顔を真っ青にして悲鳴を上げ始める

「ヒッ……!?」
「うわああああああああ!!!!」
「お、俺の!!俺の腕がああああ!!!!」

動揺する男達に対し、エルは微笑みを浮かべていた

「嬉しいですわ」

エルが両手を広げた瞬間ヒュンヒュンと風を切る音とキリキリと何かが擦れ合うような音が周囲に広がる
何も無いのに音だけが鳴り続ける空間
何がそんな音をたてているのかわからない男達はただただ汗を垂らし、震える


「貴方方がワタクシと遊んでくださいますのよね?」


エルが笑みを深めるごとにキリキリと鳴る音は強まっていく。その音に一人の男が恐怖から思わず呟きを零す


「かっ、神様……!」


「あらあらあら。良かったですわね。」

ピタリと止んだ音にいつの間にか尻餅をついていた男達はエルを見上げた。
エルは微笑んだまま続ける

「祈って差し上げましょうか?だってワタクシ……」


「修道女ですから」







「あらあら。呆気ない」

エルはワイヤーを回収しながら溜め息をついた。
少しだけ脅してやろうと思っただけなのに、男達は一目散に逃げて行ったのだ。

「せっかく新しく手に入れたワイヤーを試そうと思っていたのに……」

残念だと言いながらも少しだけ満足したエルは大人しく教会に帰って行った。