ch3:これからのこと
「さて、これで私の話はお終い」

織依はさっきまでの事が無かったかのように元の無表情に戻っていた。

「君らの話も聞いてしまったわけだし、私も一応手伝うよ」
「何で一応なの?」

疑問に思った千枝が織依に聞くと、言った本人は神妙な顔をしていた。
何か問題でもあるのだろうか、と不安になるメンバーに気付いた織依は特に問題はないのだ、と取り繕う。

「何かあるのか?」
「いやーまあ……私が死んじゃう?」
「いやいやいや!何で唐突に死ぬんだよ!!」

花村の勢いの良いツッコミに織依が少しばかり嬉しくなったのは余談だ。
月森が織依に再度聞くと、聞かれた本人は言いづらそうに話し始めた。

「バイトしてるんだけど、そっちを優先してもいい?辞めると生活費とかもろもろ無くて飢餓で苦しんで死ぬと思う」
「それを先に言え」

月森が思わず言うと織依は「よく言われる」と返した。

「主語が無いって昔から言われてた」
「それなら仕方がないな」

と月森。
いやいや仕方なくないし直せよ、と思った花村。
そんな花村を差し置いて話は進んでいく。

「バイト以外の時なら多分出れると思うんだけど、何しろ掛け持ちしてるし、なんだかんだバイト楽しいし、お金があると何かと楽でしょ?」
「でもそれだと来れる時は限られてくるよね?鍛えておかないとテレビの中ってやっぱり辛いだろうし、シャドウも強くなってくるかもだし、大丈夫?」

やっぱり家に住んだら?
と雪子が心配して提案したが、織依は首を横に振るだけだった。

「多分鍛える云々は大丈夫だと思うよ」
「どうして?」

純粋に疑問を口にした千枝に織依はさらりと言い切った。


「だって私、強いし」


シーンと静まり返る。鳥はチュンチュン鳴いていて、遠くで部活をしている生徒の声がきこえる。とても平和だ。

「どこからそんな自信がでてくるんだ?」

固まるメンバー達をよそに月森が疑問を口にした。
まあそうなるよなーと織依は疑問に答えるために話をすることにした。

「逃げたシャドウを追いかけ……」
「え!?シャドウって逃げるの!?」
「え!?そこ?」

え?え?っとなっている織依を遮ってメンバー達はシャドウは逃げるのだという話題に入ってしまった。
シャドウは逃げる時があるって私も知らなかったもんな、としみじみ思いだした織依であった。
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