ch4:初対面はバイオレンス
あの後しょんぼりしながらも千枝を落ち着かせることに成功した織依は千枝に引っ張られて教室から連れ出された。
教室を出ると教室の前には最近の噂の的である転校生と、ジュネスの申し子ガッカリ王子がいた。どうやら二人は教室を飛び出した千枝を追いかけてきたらしい。

「これはこれは、みなさんお集まりで……」
「織依!!そんなこと言ってる場合じゃないの!!」
雪子は大丈夫なの!?

千枝は酷く混乱しているようだった。
確かに千枝と雪子はよく一緒に居るし、仲が良いように見える。
だからこそ千枝が気づくべきことに気付いていなかったことを織依は不思議に思った。

「雪子は旅館の手伝いじゃないの?」
「携帯に連絡しても出ないの!!」


それは忙しいからでは?


と思ったわけだが、千枝に胸倉掴まれて前後に揺さぶられ始めたことにより、織依は発言権を剥奪された。後に織依は「先輩とお花畑で語り合っていた」とこの時のことを語る。


「お、おい!!里中!!旅館の方には電話したのか?」


千枝の行動にみかねた花村が咄嗟に提案してくれたことにより、千枝は織依を離して電話をかけ始めた。

「大丈夫かよ……」
「かたじけない」
「何時代の人だよ」

と会話をしていたところで千枝の電話は終わっていた。
千枝が安心していたことからどうやら雪子が電話に出たらしいことが分かり、織依はそらみろと内心に思うだけにとどめた。
やれやれ一段落と教室へ戻ろうかと思った織依を引き止めたのは千枝。

「ごめん!知らなかったよね。」

と千枝は織依に自己紹介を促した。

「あぁ、鴻崎織依。雪子の従姉妹。よろしくどーぞー」

となんともいい加減な自己紹介をした織依を千枝は呆れていた。
月森と花村はびっくりしながらも自己紹介をしたが織依本人は「ふーん」で終わらせていた。あまり興味がなかったらしい。

「鴻崎さん?は天城と住んでねえの?」
天城の様子を知らなかったみたいだし…

と花村。
その話を聞きますか、と織依は面倒くさがりながらもきちんと返す。

「まあね。迷惑はかけたくないしねえ……」
人には色々あるものですよ花村君や。

織依のその言葉に気になった花村が更に質問をしようとするも、「織依、授業始まるわよ」と教室からの声に遮られた。

「じゃあ、また縁が合ったら」

と織依はあっさりと教室に戻っていった直後、「ありがとハルコ」「ハ・ル・カ!」という会話が聞こえてきた。


「何か天城とはえらい違いだな」


と花村が戸惑っていたことは月森と千枝しか知らない。
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