「ぎゃふん」
あまりの出来事に織依は思わず口をぽっかり開けたままテレビを凝視していた。
マヨナカテレビを見た次の日の夕方、雪子は居なくなった。
朝織依が電話をした時は雪子はまだ旅館に居て、電話にも出た。
「珍しいね電話かけてくるなんて」
雪子が不思議そうに聞いてくるのに誤魔化しながら様子を伺う。何もなかったことに織依は少し安心したが、やはりどうにも落ち着くことが出来なかった。念のため旅館に顔を出すと言い、その場は電話を切った。
夕方、織依が旅館に行くと、その時にはもう雪子は行方不明となっていた。旅館は大騒ぎとなり、織依も稲羽市中を急いで探したが雪子は見つからず、警察に託すこととなった。
なぜ見つからないのか、家出でもしてしまったのか、それとも攫われてしまったのか、考えていくうちに織依はあることを思い出した。
マヨナカテレビには雪子が写っていた。
何かつかめるかもしれない。
気になった織依はマヨナカテレビをもう一度観ることにしたのだった。
ザー……
『こんばんは〜』
『えーと、今日は私天城雪子がなんと“逆ナン”に挑戦したいと思います!』
「逆ナン……」
逆ナン……逆ナンって、なんだったっけ……
織依は頭を抱えたくなった
ちょっと待て。雪子が逆ナンだって?
「雪子が逆ナンして引っかからないやつがいないわけがない!」
違う!そんな事はどうでもいい!
何で雪子がマヨナカテレビに映った
やはり雪子が居なくなったのと関係があるのか?
織依が混乱している間に話の大部分は終わっていたようで、番組は最後の方になっていた。
『……じゃあ行ってきま〜す!!』
「あ!ちょっ!まっ!雪子!」
慌てた織依はテレビの画面に片手を伸ばした
届くはずが無いのにである。
そして手が画面に触れた瞬間
ズッ
と、音が……
「ず?」
音のした方を見ると織依の片手はテレビの画面に見事にはまっていた。
「おいおいおいおい!!」
思考停止
織依は思わず
「ぎゃふん」
と声に出していたのであった。
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