とあるドMは神を喰らう - deer

頭を下げるときはいつも真剣だ

「君は神機をもっと大切にしなよ!」

不死鳥の名の如く、一週間で怪我を完治させた私は、神機のメンテナンスに呼び出され、楠整備士に叱られていた。ただただ、申し訳ございません、と繰り返し頭を下げているのだが、謝るなら神機に謝れと言われ、自分の神機に頭を下げていた。

「もうこのまま使うのは無理だから強化した方が良いよ。材料があればやってあげるから。あと、君は怪我が多いみたいだけど、制御ユニットは使ってる?」

「制御ユニットとは一体?」

「あちゃー、だからかあ。きっとその様子じゃ強化パーツも知らないよね」

君は強いって聞くのにどうして怪我がそんなに多いのか気になってたんだよね、と笑う楠整備士に制御ユニットと強化パーツについて教えてもらう。なるほど、私の装備は初期の初期のものであり、普通は皆強化したり新しい物を作ったりしているのか。

「君は超近接型だからゴッドイーターがオススメだけど、今の君にはまだ使えないかな。そうだなあ、強化パーツで体力を補って、制御ユニットはエアリアルなんてどうかな?」

「空中戦に特化したものですか」

「うん、だってコンゴウの攻撃ジャンプで避けたんでしょ?きっと向いてると思うんだけど」

「確かにそうですね。貴重なご意見ありがとうございます。重ね重ねで申し訳ないのですが、素材は全て揃っているようですので、制作をお願いしてもよろしいでしょうか」

「もちろんだよ!うん、なんか楽しくなってきた!そっかそっか、君は本当はもっと強いんだね」

「恐縮です」

「あ、ねえそれ!もっと普通に話してよ。コウタみたいにさ。楠整備士なんて呼ばれないからなんかむず痒いんだよね」

「では、どのようにお呼びすれば?」

「リッカでいいよ!私もエンって呼ぶからさ」

「ああ、改めてよろしく頼む。リッカ」

「こちらこそ!じゃあしっかり君の装備作っておくから明日また取りに来てよ」

「そんなに速く出来るのか?」

「まだ初期の装備だからね。もっと強い装備になると時間もかかるけど、これくらいなら一晩で作れそうかな」

「そうか。あまり無理せず頼む」

「あはは!ありがとね!じゃあまた明日!」

そう言って油のついた顔で笑ってくれるリッカに手を振って整備室を後にする。もう一人、友だちが出来たのだとパパに報告しなければ、と足取り軽くエントランスへ向かうのだった。

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