とあるドMは神を喰らう - deer

その毒は実に好みなものである

「死ぬな、必ず生きて帰れ」

いつもと同じ命令をしてデートに出かけたパパを見送る。良かったら使って、と回復錠の改良品をこっそり渡したが、やはり心配だった。だが、今は自分たちのことに集中しなければならない。私の身体のせいで周りの人間を死なせるわけにはいかないのだ。

「ソーマとエンが前衛。コウタは遊撃で私が後衛。体当たりには気をつけて」

橘副隊長の指示に一つ頷いて地面へ降りる。グボロ・グボロのいるポイントは分かっているので、気づかれないように向かい、奇襲を仕掛ける作戦だ。

「緊急事態です!大型種の作戦エリアへの接近を確認。クアドリガ!?来ます!」

「...まずいわね。あの大きな身体のクアドリガと混戦になるのは不利だわ。二手に分かれましょう!コウタはソーマと、エンは私と」

「承知いたしました」

やはり情報操作していたか。新しく作った武器ではクアドリガとの相性は悪いがやるしかない。このまま合流されるくらいなら突っ込んでいった方が早いだろう。それに、大型種との戦闘経験の無いコウタにクアドリガは荷が重い。
コウタたちと逆方向へ走れば大きな音を立てて歩くクアドリガが見えたので、とりあえず突っ込む。こちらを威嚇するための声を上げる隙に捕喰してリンクバーストをした。
装甲の硬いクアドリガには中々剣が効かないので、結合崩壊さえ起きれば弱点になる前面装甲を斬りつける。制御ユニットのおかげで軽くなった身体でジャンプをして、勢いを殺さないまま前面装甲にショートブレードを突き立てる。全体重を乗せて装甲を抉れば、苦しそうな声を上げてもがいたので、その隙に剣を抜いて距離をとった。
空中においての攻撃力が上がっているそうなので、飛び上がってミサイルポッドを斬りつける。元々スナイパーで撃ち抜かれていたせいか、盛大に抉れて結合崩壊を起こした。相性は悪いが、的確に急所を狙ったおかげか、非討伐対象のコンゴウ堕天種が来た頃にはクアドリガがダウンして虫の息になっていた。

「エン!コンゴウ堕天種は火が弱点よ!」

トドメとばかりにクアドリガを連続で捕喰して手に入れたアラガミバレットをコンゴウ堕天種に撃ち込む。発熱ナイフには丁度いい相手であるので、クアドリガは橘副隊長に任せてコンゴウ堕天種に斬りかかった。
想像以上に属性というものは効果があるようで、コンゴウ堕天種に攻撃させる前に斬り伏せ沈黙させることが出来た。怯みにダウンを繰り返し、一切攻撃の手を休めず発熱ナイフを突き立てるそれはドSの所業の気がしてならないが、Sの皮を被ったMというプレイも中々興奮するのでアリだなと思う。

「大丈夫か!」

本来の目標であるグボロ・グボロを倒したコウタたちと合流し帰投する。合流地点までに現れたザイゴートにヴェノムを食らったのはきっと怪我なくアラガミを制圧したご褒美なのだろう。エンって小型アラガミには弱いよな...と少し引いているコウタに、そうだろうか?と首を傾げながら帰路に着いた。

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