とあるドMは神を喰らう - deer

仲間と言うには遠すぎる人もいる

「アリサは撤退しろ!先にアナグラに帰れ!」

目標のシユウを倒した後、パパの無線に入ったのは、ヴァジュラが作戦エリアに侵入したという知らせだった。新人を大型アラガミと戦わせるなど死ねと言っているようなものだ。そうなると私は死ねと言われているのか、それは中々興奮するな。遠回りの死刑宣告に気づき興奮していると、何かを呟きながら動けなくなったロシアを運んで撤退することになった。
パパがロシアを肩に担いで走るのを援護しながら走り続ける。大量に現れたザイゴートにヴァジュラを呼ばれた時にはどうしようかと思ったが、スタングレネードを投げまくることで何とか撤退することが出来た。

「...新型すら巻き込むのか」

「胸糞悪い話だが死なないようにするしかねえな」

「私が強くなれば単独任務を増やしてもらえるだろうか」

「ダメだ。それじゃあエンが危ねえだろ?」

「だが、これ以上周りを巻き込むわけには...」

私が死にかけることになるのは何の問題もないのだ。ドMにはただただありがたい話である。だが、周りを巻き込むのはあまりにも不本意である。私の実験なのだから私だけを対象にして欲しいものだ。

「コウタは始めの頃より動きが良くなったよな」

「ああ。攻撃も自分で避けるし誤射も減った」

「だからな、あー、つまりだ。お前は一人じゃない。頼れる仲間がいんだから頼りゃあいいんだ」

迷惑だとかそういう難しいことは考えんな。パパの言葉に下を向く。勝手に実験対象にされている私が一番迷惑を被っているとは思うが、それと周りを巻き込むことは別ではないだろうか。私が怪我をするのは構わないが、コウタやソーマに怪我をして欲しくなんてないのだ。

「私の友人は強いんだ。きっと事実を告げても私を責めない。むしろ気づけなかった自分を責めるだろうな。だから巻き込みたくない。でも、共に戦ってくれることはこの上なく心強い」

だから難しいんだ。私は友人を、仲間を巻き込みたくないが、それでも共に戦って欲しいのだ。欲張りだろう?いや、いいじゃねえか。それが仲間ってやつだ。パパは私の仲間なのか?どうだろうなあ。そうか、歳が離れすぎていると仲間にはなれないのか。仲間!パパも仲間だから!!俺の脆い心が結合崩壊した!必死そうな顔で私の肩を掴むパパも私の仲間らしい。隊長殿が共に戦ってくれるのは心強いな。その呼び方止めろ!任務は物騒だったが、帰りのヘリは平和だった。

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