とあるドMは神を喰らう - deer

滅びの呪文はプリリリリン

まずはシユウ一体を討伐することから始めた。実戦である以上、アリサに無理をさせるわけにはいかないので、シユウの攻撃を避けられる距離を保たせる。今回の任務は、入念に下調べをしてもらった上で受注したので、イレギュラーのアラガミが出ることは無さそうだ。

「空が飛んでみたいからシユウの羽根を引き千切ろうと思っているんだが」

「馬鹿なんですか?」

「アリサもソーマと同じことを言うのか...」

「当たり前です!シユウの羽根を千切ったところでどうやって飛ぶっていうんですか!」

頭と下半身を壊し叩き込んだ剣撃に倒れたシユウを捕喰しながらそう言えば、アリサに呆れた顔をされる。愛と勇気があれば空を自由に飛べるとコウタが言っていた。...騙されてますよ、それ。バルスは魔法の言葉なんだろう?違います、滅びの言葉です。
どうやら私が信じていた情報はコウタの嘘だったようだ。何ということだ、結局空は飛べないじゃないか。最終手段は高い場所から飛び降りることだな。それはただの落下ですね。そんな、夢も希望もないのか。はいはい、希望は自分で作るんでしょう?アリサは冷たいな。私が冷たいんじゃなくて、あなたが馬鹿なんです。どこまでいっても夢も希望もないようだ。

「少し、少し強くなれた気がします」

「そうだな。強くなれたな」

「...あまり甘やかさないでください」

「心得よう」

そう言ってアリサの頭を撫でる。それを甘やかしてるって言うんです!私が撫でたせいでずれた帽子の位置を戻しながら頬を染める。アリサは可愛いな。かわっ、エンの馬鹿!褒めたはずなのに殴られた。結構痛い。エンが悪いんですからね!
どうして怒っているのかは分からないが、これがアリサのリハビリになっているのなら良いのだろう。そう思いながら早足で歩くアリサに追いつくべく、駆け足で進むのだった。

ALICE+