とあるドMは神を喰らう - deer

嘘吐きは折檻の始まり

凍傷に背中の打撲に内臓が傷ついていること以外は大した怪我ではなかった私は、軽症だったと嘘を吐いてアリサのリハビリであるコンゴウとグボロ・グボロの討伐へ向かった。
雨宮教官にアリサのリハビリだけは行かせてくれと頼み込んだが、それ以外の任務に行くなら今この場で沈めてやると拳を構えられた。ドMとしてはありがとうございます!と頬を差し出したいところであるが、包帯を隠しているのに顔に怪我をしてはアリサに心配させてしまう。
折角ソーマの上着を借りているのだからバレない内に任務を終えたい。血を落として乾かしたので返そうとしたが、包帯まみれの私を見てしばらく着てろと上着を押し付けて任務に行ってしまった。

「標的発見。行くぞアリサ」

「はい!」

まだ動きに迷いがあるアリサをフォローしながらコンゴウの尻尾を切り刻む。顔も壊しておきたいところだが、ここは尻尾で確実にダメージを与えてダウンさせたい。凍傷は治療されているとはいえ、まだ穴が塞がり切っていない右足に激痛が走るが、それを顔に出さないように注意しながら、コンゴウの攻撃を避ける。
押し潰そうとするコンゴウをジャンプで避ければ、そんなんじゃいつか怪我しますよ!と言われたが、既に怪我をしているので問題ないんじゃないだろうか。
昨日よりアラガミとの距離が近づいたアリサに火のバレットを撃ち込ませる。顔への射撃に怯んだ隙に発熱ナイフを叩き込めば、耳障りな音を上げて絶命する。何とかグボロ・グボロと合流される前に倒せたか。大きく口を開けた神機で捕喰すれば、エン!とアリサの声がしてその場から吹き飛ばされる。
どうやらグボロ・グボロの砲撃を受けてしまったようだ。折角ソーマが上着を貸してくれたというのに、結局全身ずぶ濡れになってしまった。

「探す手間が省けたな。行くぞアリサ」

「大丈夫なんですか!?」

「このくらい問題ない。背ビレに銃弾を撃ち込んでやれ」

避けるのが面倒な範囲攻撃はタワーシールドを展開して凌ぐ。体力が減ってきた時に暴れる以外は大した攻撃じゃない。剣撃の通りやすいヒレと尻尾を中心に斬り刻んでいく。アリサの銃撃で仰け反った瞬間、力を込めて振り下ろせば、尻尾を斬り落とすことが出来た。
それで活性化したグボロ・グボロの攻撃を防いで溜め込んだオラクルを放出するべくバレットを撃ちまくれば、地面に倒れたその目から光が消えた。

「任務完了だ。帰投しよう」

怪我はないかと確認する。大丈夫です。アリサに怪我がないのなら問題ない。私も帰ったら手術されそうなこと以外は何も問題はない。さっきのグボロ・グボロの砲弾でまた内臓が傷ついたようで、ごぼりと血を吐いてしまった。
幸い雨が降っているのでアリサにはバレずに済んだようだが、雨宮教官に隠し通すことは不可能だろう。本当はソーマにイタズラを仕掛ける日だったのだが、コウタに延長してもらうしかないようだ。

「もう少しで前と同じように戦えるようになれそうなんです」

それをアリサに悟られないようにその頭を撫でれば、私が一人前になったら、エンの部屋に遊びに行かせてくださいね!なんて可愛いことを言う。ああ、楽しみにしている。もう一度頭を撫でれば、どこか恥ずかしそうに笑ってくれたのだった。

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