とあるドMは神を喰らう - deer

見えないものを見ようとしてないときほど見えてしまう

あまりベッドが得意じゃないせいか、早めに起きてしまったのでソーマを起こさないように抜け出して部屋に戻った。必要なものを纏めてソーマの部屋に戻れば、丸くなって眠っていたソーマの髪を撫でる。
それからなるべく音を立てないように朝ご飯を作れば、匂いにつられて起きてきた。先にシャワーを浴びてくるといい。少し寝癖のついた髪を見てそう言えば、黙って風呂へ入りに行った。あまり朝が得意でないのかもしれない。知らなかったソーマを一つ知れたことが嬉しかった。
コーンスープに目玉焼き、付け合せは配給品のパンだったが、旨いと言ってくれるソーマに礼を言う。私は固焼きが好きなんだ。そうか。あまり手料理に縁が無かったせいか、ソーマは好き嫌いがないようだ。

「風呂を借りてもいいか?」

使った物を片付けてコーヒー飲むソーマにそう聞けば、ああと返事が返って来る。部屋の作りは同じなので、同じように風呂の扉を開けた。

「...しまった」

タオルは風呂まで持って来たが、服一式をソファに置きっぱなしにしてしまった。どうしたものか腕を組んだが、こうなってはどうしようもない。開き直ってタオルを身体に巻き付けて扉を開ける。
思ったより早かったな。そう言って顔を上げたソーマが固まってコーヒーの缶を落とした。幸い中身は少なかったようで、床に溢れたのは僅かだけだった。ティッシュを取り出しそれを拭こうとすれば腕を掴まれて止められる。

「どうした」

「どうしたじゃねえだろ」

「コーヒーを拭きたいんだが」

「その前にその格好をどうにかしろ」

仕方ないとソファに置いた服の中から下着を取り出して身につける。おい!ここで着替えるな!すまない、見苦しかったか。ち、いや、とにかくとっとと服を着ろ!下着しかつけていない状態で髪を拭けば、服を顔に投げつけられる。大人しくいつもの服に着替えれば、ホッとしたように息を吐いた。

「すまないな。そこまで気にするとは思ってなかった」

「普通するだろうが」

「いや、パパの前であまり気にしたことがなかったからな」

この下着もパパが買ってきたんだ。見えるように服をめくろうとするがその前に腕を掴まれる。何やってんだあの変態。以前使っていたのが味気なかったようでな、ショックだったらしい。それでも納得はしていないようで、服は見えない場所で着ろと言われてしまったのだった。

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