とあるドMは神を喰らう - deer

フラグが立つのも仕方ない

「ノラミ!」

「ドン引きなんですけど」

榊博士にシオの名前をつけて欲しいと呼び出された一同がシオの名前の案を出す。ソーマが決めた名前はまだ榊博士にも知られていないようだ。名前?そうだな。不思議そうに周りを見回すシオの頭を撫でる。

「シオだよ!」

アリサがまごついている間に自分で名乗ったシオに橘副隊長が驚きながら自分の名前かと尋ねた。そうだよ!元気よく答えるシオに飛びつかれた私は仲良く一回転して転んだ。

「どうやら既に名前をつけてもらっていたようだね」

「私は雪だるまにしようとしたのですが、ソーマに止められまして」

「うわ、エンもセンス無いんですね...」

「ソーマにも言われたな」

「それにしてもシオか。うん、可愛いじゃない」

転んだままじゃれついてくるシオをくすぐりながら会話を続ける。くすぐったいぞ!くすぐっているからな。シオの明るい笑い声にみんなが笑顔になる。

「なんか親子みたいだなー」

やっぱりノラミにしねえ?アリサにドン引きされながらもなおノラミを推すコウタがそんなことを言った。私とシオがか?うん、お前はいい親になりそうだなって思ったよ。私の方が歳上のはずだが、そう言って頭を撫でてくれたコウタの手が少しくすぐったかった。

「シオのお母さんがエンなら、お父さんはソーマかしら?」

「なっ!そんなの駄目です!それなら私がエンと結婚します!」

「え、アリサ女の子じゃん」

アリサはソーマが父親では不服らしい。エンは渡しませんと言って首に抱きついてきた。シオが楽しそうなのでそれでいいかとアリサの頭を撫でれば、それでいいのかよとコウタが呆れたように言った。

「ソーマも大変ね。ライバルが沢山いるんだから」

「おや、サクヤ君もそう思うのかい?」

「ええ、最近は特に」

「あ、確かにソーマすごい過保護になったよな」

「今日も出撃の時エンのこと抱えてましたもんね」

シオと出会った日以来、ソーマは異常に過保護になった。飛び降りるなどいつものことだというのに、怪我をするからと言って私を抱えて降りるのだ。その方が怪我をしそうなものであるが、本気で心配しているようなので、大人しく抱えられていた。

「そうか、ソーマがね」

「心配でたまらないって顔してるから私たちも何も言えないくらいです」

「いいことじゃないか。人は守りたいものを見つけた時、真の強さを得るものさ」

至極楽しそうに話す榊博士にシオが首を傾げる。シオちゃん、あんなの見ちゃいけませんよー。アリサがそう言ってシオの頭を撫でたが、あんなの呼ばわりとは中々酷い気がする。
私の立場って...落ち込んだように肩を落とす榊博士を見たシオの笑い声が響く。この平和な時間がずっと続けばいいと願いながら、その光景を眺めるのだった。

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