とあるドMは神を喰らう - deer

近くて遠いけどやっぱり結局近いそれ

「デート!デート!」

今までソーマが集めていたコアが底をつき、シオの食糧問題が発生したらしい。そのため、私とソーマとコウタの三人でシオに食事をさせるために空母へ来ていた。無邪気に私と手を繋いではしゃぐシオと集合ポイントから飛び降りる。

「いいのか?」

「仕方ねえだろ」

シオに手を引かれるままに進んでいけば、見事に標的に見つかってしまったので、繋いだ手を解いてブラストを構えた。

「イタダキマスだな!」

アラガミを一掃し、残しておいたオウガテイルを前にシオが声を上げる。だが、シオはソーマも共に食べようと誘った。私はどんな気持ちでそれを見ていればいいのか分からなかった。人間はアラガミを食べないと言うコウタに、シオがでも、と返す。

「ソーマの中のアラガミはタベタイって言ってるよ?」

ソーマの顔が歪む。ずっと自分を化け物だと言い続けていたソーマにとってそれは余りにも酷な発言だった。声を荒げてこの場を去ろうとするソーマに手を伸ばしたが、少し一人にしてくれと言い残して歩き出してしまった。

「シオずっと一人だったよ」

だからソーマを見つけて嬉しかったとシオが言う。どうにか言いたいことを伝えようとしたようだが、上手く言葉には出来なかったようだ。
一人で帰って行ってしまったソーマの背中を見つめていると、コウタに何か知ってるんだろと詰め寄られる。私が勝手に話していいことなのか分からないので、帰ったらソーマに謝ろうと口を開いた。

「マーナガルム計画という計画があった。それは胎児に偏食因子を投与することで、生まれた時から体内に偏食因子を持った人間を作り出すというものだった」

「まさか、ソーマが?」

「ああ、その実験は失敗とされるほど悲惨だったらしい。ソーマが生まれた時、ソーマと支部長殿以外の人間は皆死んでしまった」

「それを自分のせいにして化け物とか言って俺たちを遠ざけてんのかよ、あいつ...」

「自分と共にいると仲間を傷つけてしまうかもしれない。自分のせいで仲間が死んでしまうかもしれない。ソーマはずっとそう思ってきたんだ」

「何だよそれ...一人で格好つけやがって!」

「そんな一人だけ格好をつけるような仲間は私たちで懲らしめてやらなければな」

「そうだな!よし!そうなりゃ帰って第六回ソーマにイタズラ計画を練るぞ!」

シオの食事という目的を済ませた私たちは、アナグラの者にバレないようにシオを連れ帰り、そのままイタズラ計画を話し合う。食べ物は駄目だ。ああ、前すげえ怒られたもんな!だし巻き卵をとびきりしょっぱくして食べさせたらソーマに物凄く怒られた。それはもう怒涛の勢いで怒られた。
あれは怖かったな。すっげえ足痺れたもんな!正座でみっちり三時間は私たちの足が痺れるのには十分すぎたのだ。楽しそうなアリサにつつかれたコウタが羨ましくて仕方がなかったな。私はソーマが手を貸してくれたので、あのプレイをさせてもらえなかったのだ。

「じゃあ俺の部屋でバガラリーオールナイトしようぜ!」

「それはイタズラなのか?」

「んー、嫌がらせ?」

「よし、やろう」

大切な仲間へのイタズラ計画はいつの間にか嫌がらせ計画へと変わってしまった。中々酷い字面だと思うが、ソーマが離れようとするならば、私たちは嫌がらせの如く傍にいてやろうと思う。

「じゃあ俺お菓子とか用意しとくな!」

「食事は私が用意しよう」

「いや、今回の計画のお前の仕事はソーマを連れて来ることだ!」

「心得た」

そんな計画を話し合う私たちを不思議そうな顔で見るシオにコウタが悪そうな顔をして腕を突き上げる。

「やることやったし、今日は思いっきり遊ぶぞ!!」

「オー!」

シオが楽しそうに返事をするので、それでいいかと腰を上げる。それから全力で鬼ごっこをした私たちが荒らした部屋を見たアリサから正座で説教を受けたのは言うまでもなかった。

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