とあるドMは神を喰らう - deer

いつだって育てたいのは同じもの

「おや、酷い顔をしているじゃないか」

目の下にクマを作ったコウタと私を見て榊博士がそう言った。任務で怪我はしなかったが、私たちは心身ともに中々疲弊しているのだ。

「そう思うなら任務減らしてくださいよー」

「それは出来ない相談だね」

「自己管理くらいちゃんとしたらどうなんです?」

「すまない...」

アリサにまで言われてコウタと二人で小さくなる。流石にこれは自業自得だ。何も言い返せないので、大人しくシオと遊んでいた。

「それで、何があったんだい?」

エン君までクマを作っているとはね。そんな私たちを面白がる榊博士にまあ、ちょっととコウタが口を濁す。ソーマを巻き込んでバガラリーオールナイトしてましたとは言えないのだ。雨宮教官にバレたら殺される。この時私たちの心は一つだった。

「どうせ馬鹿なことなんでしょうけど、エンを巻き込まないでくださいよ!」

「いや、むしろエンも主犯で...」

「ほう、エン君も中々やんちゃをしているようだね」

「ご想像にお任せいたします...」

シオに腕を引かれ床に転がった状態でそう言えば、何してるんですかとアリサに溜息を吐かれる。そんな私に手を貸してくれたアリサの胸をシオが突然揉んだせいで、私は見事に床と再会を果たした。

「な、何するの!?」

「俺もシオになれば...」

「ぷにぷに」

今度はコウタの元へ行き身体を叩くシオにコウタが痛がる。人間の個体差に興味を示しだしたということらしいが、その説明を聞く前にアリサ、私を助け起こしてはくれないのか。
放置プレイか。そんなことを考えていると、またシオに飛びかかられて盛大に頭を打ち付ける。良い技を覚えたじゃないか...痛む頭を押さえながらそう言ったのだが、シオは人間の身体についての興味が強いようで、華麗に無視をされた。
シオに無視されたことをそういうプレイだと思い込もうとしていると、胸が気になるのか、服を捲られて下着が露出する。これは何プレイなのだろうかと考えていると、慌てたコウタとアリサの声と共に、扉が開く音がした。

「アリサより小さいな!」

純粋無垢なシオの笑顔に重すぎる空気が部屋を覆っていく。誰も発言出来ない中、足音だけが響いて、私からシオが引き剥がされる。静かに私の服を戻したソーマが、その内デカくなるだろと声を潜めて言った。

「ソーマ、折り入って頼みがある」

「何だ」

「私の胸を揉んでくれないか」

「ちょっ、エン!?」

「何言ってるんですか!!」

「胸は揉めば大きくなるんだが、自分では意味がないんだ。男が揉まなければ大きくならないんだ」

パパが言っていたからきっと間違いないはずだ。至極真剣に言ったのだが、馬鹿なことを言うなと頭を撫でられる。じゃあコウタに頼もう。そう言ってコウタの元へ向かおうとしたが、後ろから羽交い締めにされてそれは叶わなかった。

「私にも夢を見させてくれ」

「ああそうだな、夢でも見てろ」

だからとっとと寝ろ。そう言えば丸一日以上寝ていない気がする。それを自覚した途端、目眩のような感覚に襲われて立っていられなくなる。

「大丈夫ですか!?」

アリサのそんな声が聞こえたのを最後に、私の視界は暗く染まったのだった。

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