とあるドMは神を喰らう - deer

親友と踊るワルツは物足りない

その日私は、サクヤさんとアリサの休暇届を提出した。雨宮リンドウの腕輪が見つかった今、墓参りくらいさせてやりたいとの理由でそれは許可された。実際にはリッカに頼んで手配してもらった神機を持ってエイジスへ潜入しているのだが、私は何も知らない振りをして特務をこなしていた。
特務を終えて部屋に戻れば、ノルンにサクヤさんから通信が来ていた。もうここまで来たのならどうしようもないと腹を括り、ソーマとコウタを呼び出した。

「この部屋は支部長殿に常に監視されているということを念頭に置いて欲しい」

暗にシオのことは口に出すなと言っているのだが、それは伝わったようで黙って頷いてくれた。

「エイジス計画なんて無かったのよ」

エイジス計画という嘘の計画の真実はアーク計画、選ばれた者だけが終末捕喰を免れ、未来を生きるというものだった。その計画には、各支部のゴッドイーター、技術者、そして二親等以内の親族の名前がリストアップされているらしい。
半分アラガミの自分はそんな物には乗らないとソーマは言ったが、それでも支部長殿はそのリストにソーマの名前を載せていた。
コウタは家族を守るためにアーク計画に乗ると言った。自分の大切なものを守る道は決して一つだけではない。こうして道を違えることになっても、私はコウタの親友であり続ける。

「お前はどうするんだ」

「元々未来などない私には関係のない話だ」

私の命はどのみち遠くない内に尽きる。そんな者が生き残ったところで意味はない。

「それ、どういう意味だよ」

そうか、コウタにはまだ言っていなかった。私の偏食因子とその限界、それに関する実験を説明する。何で言ってくれなかったんだよ!!自分だけが知らなかったことに怒ったコウタに詰め寄られる。

「知ったら悲しむだろう?」

「当たり前だろ!!」

「親友にそんな顔をさせたくなかったんだ」

「だからってエンがキツい時に何も出来ないなんて!!」

ごめんと落ち込むコウタにすまないと謝る。それでも私はコウタの親友でありたい。俺も、ずっとエンの親友だからな!そんな言葉と共に腕を重ねる。

「コウタの幸せを願っている」

「エンの幸せを願ってる」

最後にそう言ってコウタと手を振って別れた。

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