とあるドMは神を喰らう - deer

神だって、生きているんだ友だちなんだ

気がつけば手を後ろで縛られて何かで運ばれていた。他の荷物と同じように袋にでも入れられているのか、何も見えなかった。
振動が止まり、布が除かれる。乱雑に転がされた無機質な床には、私と同じ白が見えた。

「シ、オ」

薬が抜けきっていないのか、相変わらず身体は思うように動かない。それでも必死にもがいてシオに近づいていく。だが、あともう少しで触れられるところで髪を掴まれ引き離されてしまった。

「これはアラガミだ。人類の敵であり、排除すべき対象だ」

「この子のどこを見て、そんなことが言える!」

「名前までつけてペットでも飼っているつもりか」

「私の愛する者を侮辱する権利など貴様にない!」

「愚かな...アラガミを愛するなど、戯言にもほどがある」

まるで道のゴミかのように支部長が意識の無いシオを足蹴にする。止めろ!!持てる力を振り絞って支部長を突き飛ばしシオに覆い被さる。そんな私を引き剥がそうと銃で撃ち抜かれたが、それでも限界まで離れなかった。

「シオ!シオ!!」

シオがどこかへ運ばれていくのを転がって見ていることしか出来なかった。その姿が見えなくなっても名前を叫び続けたが、返事が聞こえることはなかった。

「さて、君は搭乗ゲートへ向かってもらわなければならない」

「何が希望だ!何が人類だ!その両手で抱きしめることが出来るものすら守れないのに、何を守れると言うんだ!!」

「...本当に忌々しい」

連れて行け。支部長の声で荷物のように運ばれる。だが、その先で起きた爆発により私が宇宙船に乗せられることはなかった。

「すっげえ探したんだからな!!」

「コウタ、なぜここに」

「自分の親友見捨てて生きるなんて俺の家族は許してくれないからな!」

何かの機械を壊したコウタに抱えられるままに進む。その先で会えた仲間たちに血まみれのことを怒られたが、応急処置を受け、回復錠をいくつか噛み砕いたことで随分回復出来た。

「ありがとうソーマ」

最後のわがままと言って持って来てもらった神機を受け取る。下着姿に顔を逸らしながら貸してくれた上着を着れば、シオを守れなかったことを謝られた。

「奪われたのなら取り返しに行こう」

銃で撃たれた部分が歩く度に痛んだが、この痛みは実に好みだ。怒りと痛みで今ならどんな相手にも立ち向えるような気がした。

「第一部隊、行くぞ!」

はい!ああ。ええ!おう!それぞれの返事を背中に受けてシオのいる場所へと走り出した。

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