とあるドMは神を喰らう - deer

粉ものはソースかけときゃ外れない

「うわあ!油溢れた!」

「ちょっと!すごい跳ねてるじゃないですか!!」

「...熱い」

「火傷してない!?大丈夫!?」

コウタが油を溢したらしい。髪を拭きながら扉を開ければ、アリサがサクヤさんと抱き合って機械から距離をとっているのが目に入った。

「大丈夫か?」

「こっちの心配する前に髪拭け」

ソーマに言われて大人しく手を動かすが、これは中々珍しい光景なのではないだろうか。たこ焼きを焼くソーマを見る日が来るとは思っていなかった。

「エン!あんまり近寄ると火傷するからこっちに来なさい!」

そんなサクヤさんに腕を引かれてたこ焼き機から後退する。折角新しい服着てるんですから汚さないでくださいね?そう言っていらずらっぽく笑ったアリサが腕に抱きついてくる。

「その服とっても似合ってるわよ」

「頑張って選んだ甲斐がありましたね!」

前着ていた服は残念ながら切り刻まれてしまったので、支給品の服を適当に着ていたのだが、味気ないと言って二人が新しく服をプレゼントしてくれた。
パトロスジャケットとF偵察下衣ホワイトの組み合わせは髪の色と合わせてくれたらしい。本当にもらっていいのかと聞けば、復帰祝いだと笑ってくれたので、ありがたく着させてもらうことにした。

「なになに?エンの服俺とお揃い?」

油が跳ねて火傷をした部分を冷やしていたコウタが戻って来た。アリサの方が近くないか?そうですよ!コウタなんかと一緒にしないでください!同期なんだからいいだろー?アリサが抱きついている反対側の腕にコウタがへばりつく。
あら?私ともお揃いじゃない。サクヤさんにも後ろから抱きつかれて身動きが取れなくなってしまった。

「...何してんだお前ら」

「そんなこと言って本当は羨ましいんでしょ?」

「馬鹿なことしてねえでこっち手伝え」

ソーマのそんな言葉に三人で一斉にコウタを見る。え、俺?そもそもお前のせいだろ。動こうとしないコウタの背中を押してたこ焼き機の前に座らせる。熱いと騒ぐコウタと入れ替わるようにしてやって来たソーマに無言で上着を着せられた。

「すまない、見苦しかったか」

「違う、そうじゃない」

「駄目じゃない、エンの肌を他の男に見せたくないって言わないと」

「そうなのか?」

「...腹壊すだろ」

「そうか、ありがとう」

コウタがたこ焼き機と悪戦苦闘している間に飲んでいた飲み物の中に混じっていた冷やしカレードリンクのせいで気分が悪くなってしまったサクヤさんとアリサを介抱しながら、口を開けてソーマにタコ焼きを食べさせてもらったりと、久しぶりの楽しい時間を過ごしたのだった。

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