とあるドMは神を喰らう - deer

最高の上司には金色じゃなれない

結局ソーマと仲直りはできないまま、退院を迎えた。そんな状態でソーマの部屋に帰るのは悪いと思い、任務が終わるのをエントランスで待っていたが、それも突然のサイレンで終わりを告げることになった。

「緊急連絡!第二訓練場ににアラガミの侵入を確認、直ちにこれを撃退してください!」

繰り返される緊急連絡に竹田オペレーターが素早くゴッドイーターとの連絡をとったが、動けるゴッドイーターが全員出払っていると聞いて走り出す。幸い小型アラガミしか侵入していないようなので、私の神機でも倒すことができるかもしれない。
神機保管庫に向かい全力で走る。中にリッカがいることを確認して飛び込めば、何をしに来たのかと言われてしまった。

「リッカ、私の神機は」

「まだ使えないよ、だから君も早く避難して!私も神機をロックしたら直ぐに逃げるから!」

リッカの手で次々と神機がロックされていく中、見覚えのある神機を見つけた。幸いまだロックはされていない。やるしかない。他の人の神機に触れればどうなるかくらい知っているが、今このアナグラには私しか戦えるゴッドイーターはいないのだ。

「駄目!それはリンドウさんの!」

私を止めようとする声を無視してブラッドサージへ手を伸ばす。それを握った瞬間、とてつもない痛みに襲われたが、それを楽しむ余裕はなさそうだ。

「早く手を離して!他の人の神機を使ったら!」

「大丈夫、だ、パパの神、機だから」

どうにかリッカを落ち着けようとしたが、その前に隔壁が壊れる音がして、ヴァジュラテイルが現れる。その風圧でリッカが吹き飛ばされて壁に激突して倒れてしまった。
リッカ!大丈夫か!リッカ!!激痛の中でそう叫んだが、意識を失ってしまったのか、リッカから返事はなかった。

「っ、力を貸してくれっ、パパ!!」

リッカを襲おうとしているヴァジュラテイルに斬りかかる。だが、一撃だけでは大したダメージを受けなかったのか、一瞬仰け反った後、直ぐにこちらに向き直った。

「う、ぐっ」

激痛と断片的に見える映像に思わず呻き声が漏れる。プリティヴィ・マータにディアウス・ピター、これはパパの神機との感応現象なのかもしれない。そう思いながら腕を振るおうとしたが、ヴァジュラテイルの攻撃は既に目前に迫っていた。
怪我で済んだらいいが。今度はどれほど怒られるだろうかと受け身をとろうとしたが、後方からのレーザーによってヴァジュラテイルの攻撃が逸らされた。

「立てますか!早く、止めを!」

まだ少年と言ってもいい風貌の神機使いの援護によりヴァジュラテイルを斬り伏せる。どうにか倒すことはできたが、腕の激痛に思わずうずくまる。

「大丈夫ですか?」

少年のそんな声が聞こえたのを最後に、意識を失ってしまったのだった。

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