とあるドMは神を喰らう - deer

黄色点滅の時間は注意して進め

「エン」

「パパ?」

「そんな顔してどうした?なんかあったか?」

「どうしてパパがここにいるんだ?」

「どうしてって、父親が自分の娘の部屋に来ちゃ駄目なのか?」

「そうじゃなくて、パパは...」

「まあいいだろ?折角激務を終えて娘と一緒に居られるんだからよ」

「激務?」

「ああ、だってパパは」

アラガミに食べられたから。そう言ってパパの姿が歪んでいく。待って、パパ、パパ!どうにか追いかけようとしたが、私の周りは光に包まれた。

「リ、ッカ?」

「気がついた!?良かったっ!!」

まだ少し安定しない視界に瞬きを繰り返しながら起き上がれば、リッカに飛びつかれる。それを支えてやれば、エンの馬鹿!!と聞き覚えのあるフレーズが降って来た。

「どうしてあんな無茶したの!!馬鹿!馬鹿!!」

「すまない」

「あんまり無茶すると神機直してあげないから!!!」

「それは困るな」

「それならもうあんなこと二度としないで!他の人の神機に触るだけでも危険すぎるのに、それでアラガミと戦うなんて絶対駄目なんだから!!」

「すまない」

自分でも無謀なことをしたとは思う。だからあんな夢を見たのだろう。アラガミ化、夢の中のパパはアラガミ化してしまったのだろうか。

「適合してない神機を持つと、そのオラクル細胞が君を捕喰し始める。そうなったら、どうなるか分からないんだよ?」

「パパの神機に喰われる、ということか」

「最悪アラガミ化して、君の仲間が君を殺さなきゃいけなくなる。私はそんなの絶対嫌だから」

「私も軽率だった。本当にすまない」

シオがいたころ、シオが利用されるくらいなら連れて逃げて、アラガミ化するまで共に過ごそうと思ったことをがあった。だが、それで傷つくのは私ではない。第一部隊の仲間であり、私の大切な友人たちであり、私が愛している人なのだ。
私ならおそらく仲間がアラガミ化しても殺すことはできない。むしろその仲間に殺されることを選ぶだろう。

「約束だからね」

「ああ、心得た」

そう言って身体を離したリッカが、皆を呼んでくるねと笑った。皆と言うのは...?もちろん、君の仲間だよ!屈託のない笑顔に思わず冷や汗が流れる。これはいわゆる確信犯というやつだろう。この後に待っていることを分かっていてリッカは笑顔を浮かべているのだ。

「慈悲をくれるというのは...」

「こんな無茶した馬鹿に慈悲なんてあると思うの?」

また後で来るから、ちゃんと反省しなよ!そう言って出て行ったリッカに、友だちとは何だろうかと考えずにはいられなかった。

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