とあるドMは神を喰らう - deer

結局男に生まれてきたから泣いておけ

「リッカさんいい人ですよね」

リッカが出て行ったのを皮切りに話し出した少年に目を向ける。神機のことを本当に理解してくれる人だとリッカを褒めているので怪しい人間ではないのだろう。

「あっ、まだご挨拶してませんでしたね」

そう言って少年は、医療班に配属になる新人の神機使いだと言った。最近は入院ばかりしていたせいか、その辺りの情報が入ってきていないが、激戦区である極東に新型を連れて来るとは榊博士も中々支部長職が板についてきたのかもしれない。

「日口エンと申します」

「よろしくお願いしますエンさん。僕はレンって呼んでください」

軽く頭を下げて挨拶を済ませる。本当は明日極東へ着く予定だったが、たまたま早まり、今日のアラガミ侵入に駆けつけてくれたらしい。

「先程は助かりました。ありがとうございます」

「いえ、お役に立てて光栄です。何と言っても極東の不死鳥と一緒に戦えたんですから」

「ただの噂の一人歩きです」

その二つ名を言われると少し困ってしまう。もう私は再生し続けることなんてできないのだ。傷つけば傷つくほど命を縮めてしまう。そんな人間が、不死鳥を名乗ることはおかしいだろう。

「そんなことありませんよ。実際あなたは他の人の神機を使っても何もないじゃないですか」

「そうでしょうか」

「僕、軍事医療が専門で、その中でも神機使いのアラガミ化の予防や治療を研究しているんです。だから、身体に異変を起こさないあなたはやっぱり不死鳥なんだなって」

「たまたま相性が良かったのかもしれません。私の父の使っていた神機でしたので」

「...そうかも、しれませんね。あ、そう言えば極東は激戦区なんですよね。色んな意味で最前線のこの支部で皆さんの足を引っ張らないように頑張ります!」

可愛らしく笑ったレンにこちらこそよろしくお願いいたしますと頭を下げる。病み上がりに長々とすみませんと謝って、早く良くなってくださいと残して、レンは部屋を出て行った。

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