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黒い影は奪う、全てを

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戦争や闘いは悪か?人間の造ったこの世界がそうだと言うのならオレは、悪だ。オレが望むなら闘わなくて済むだろう。オレが望むなら善人にだってなれる。
だがこの悪は避けることができない。
羨望と毒のせめぎ合いは、一度タガ外れてしまってはもう止められないんだ。永劫続くんだ。永遠に耐えるんだ。朽ち果てるんだ。もう疲れた。眠りたい。身体は深い底へ沈みたがっている。

羨望を生みし毒は、克服すべき存在だ。
だからオレは殺された。だから君は愛された。瞳のせいでオレは破滅するだろうか。



差し込んだナイフで敵が倒れた後、同じように倒れたオレの腹は流血で生暖かい。
身体は麻痺して動かず、痛みはない。
見れば刺さっているんだ
オレのベンズナイフが。
姿形の分からぬ黒い影はオレだった。
これは不変なんだ。オレがナイフを持てば、オレはどうしてか倒れる。

そんな毒のような感情に殺される、おかしな夢をオレはもう一度見たいと希った。


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