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黒い影は奪う、全てを

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あどけないお前を一目見て買った。名前をつけて、これ以上ないほどにお前を愛撫するだろう。だがその名前はいらないのかもしれない。名前があると、お前は誰かに名前というお前を知られ、呼ばれるからだ。オレはお前の名前を誰かと共有するなんてことは考えちゃいない。お前の存在を誰かに教えるなんてこともだ。
芸を覚えさせ、お前はそれに従うだけでいい。球を投げて、それを追うお前を見て、そうやってオレは退屈を凌ぐつもりだ。
「よく出来た、褒めてやる」
さあもう一度とってきてくれよ。
お前は忠実であるがために、自身につけたれた首輪にイヤとは言わない。それでいい。オレの首輪を好んで着けるお前しか、オレは愛せないんだ。それで、お前に1つ聞きたいことがある。おかしいか?お前にはオレがどう見える?

お前は俯いて、壊れるオレを前にどうすることも出来ない。歪んだ口元はオレの癪に触れぬよう、笑うことしか覚えない。お前はオレの舌を喜ばすが、オレはお前には苦い存在だ。
オレを見てるが目が合ない。どうしてだ?何処を見ている?何を見ている?憐れむような目で何を思っている。抱くな。やめろ。
泣くな、泣けないオレの代わりにと言って。頼むから止めてくれ。

頼むから止めてくれ。

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