オーム
何かに矛盾を感じる。キルアは顎を掴んで黙考した。
ここは、時計師のオームが作った理想卿のはず。なのに、先程の話から考えると、ここは少年の思念世界とも聞いて取れる。可笑しい、少年こそがオームの思念体ではないのか?
となれば、脱出の鍵を握るのはやはりオーム。
ゴン「ねぇ、君はここからでれないの?」
“出るも何も、死んでるからね”
この異空間に入ってしまうと、外部からの物理的な負荷がない限り半永久的に不死の状態が続く。
思い当たる節として、あの時計屋の外形は廃れて古い。おそらく100年間かけて、味が出たものに間違えない。
念が込められているので、興味本位で通りすがった年能力者が擬さえ出来ればただの時計屋じゃないことは即座に察しがつく。もっとやり手なら触れただけでも……。
まさか念能力者が、100年立ち寄らなかったのか?俺たちがここにたどり着くまで誰の手にも渡らなかったのか?
いや、違う。あの時、あの店で時計を渡される前、オームは妙に表情を変えていた意味がようやくわかった。
オームは渡す人間を選別していたんだ。この時計を守るために。脅かされないように。
100年となれば、この時計を守る後継者が存在し、幾度か変わっているはずだ。守護者、いや、時計屋はオームだけではなかった……!
何代目なのかは分からないが……。
キルア「ここはオームの想像した世界なんだろ?なら、お前が死んだ直後に、お前によって造られたってのはどうも不成立だ」
ゴン「そっか。オームさんは外にいるんだよね」
“クツクツクツ。いい線だ。
特別に秘密を教えてあげよう。
オームは外にいない。
__何故なら僕がオームだから“
ゴン・キルア「!?」
2人は吃驚して、唖然とする。
その事実は少年を路頭に迷わせるべく、困惑の砂丘へと放り投げたのだ。
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