待ち焦がれた体育祭!
体育祭当日、控え室で
各々がいつものように会話をしたり精神を落ち着かせたりと自由に過ごしている中…私は頭の中で2週間という短い時間で得たものをどう発揮するかを考えつつ透ちゃんと話していた。
透ちゃんはこういう行事に緊張とかしないのか寧ろ楽しんでいるところを見ると尊敬してしまう…私はだめだ、大人数の前となると緊張してしまってさっきから手が震えてしまっている…ヒーローを目指すものとしてこれは情けなさ過ぎないか私…!!
そう思いながら携帯に付けていたライオンのストラップを撫でた…先日焦凍くんの為にと作ったのと同じものだけど、自分がこれに頼ってどうすんだって話だよね…。
「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
飯田くんの声でばっくんばっくんと心臓が鳴る…あああここに消太くんがいてくれれば抱きついて安心できるのに…っ!!そこまで考えてそれはそれでアウトだなと無駄に冷静になった…消太くんパワーすごい。
…緊張でわけわからない事を考えはじめたのでとりあえず透ちゃんに抱きついておいた…ああ、柔らかい…女の子って安心するね!透ちゃんの顔見たこと無いけど笑って励ましてくれてるのが声で分かったので元気が出た。
私達がきゃっきゃっとしてると突然焦凍くんが緑谷くんに宣戦布告をしていた…今日はまだ焦凍くんと話をしていない、いや…話しかける雰囲気ではないのはすぐに分かったので話しかけなかった…という方が正しいか…それほどに今日の焦凍くんはどこか気が立っていた。
No,2ヒーロー、エンデヴァー…父親に対する憎しみでいっぱいになってる焦凍くんを
救けられるのはきっと私ではない、だから彼がその感情で壊れてしまわないように私は支える事を選んだ…家族がどういったものなのかなんて、私には分からないから。
「皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ…僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ、僕も本気で獲りに行く!」
普段は弱腰の緑谷くん…こういう大事な時は真っ直ぐと相手を見据えて自分の意見を言えるその姿はとてもかっこいいと思う…真っ直ぐに、どこまでも真っ直ぐに生き続ける、強さと優しさを持った緑谷くん…彼は人の心を動かす何かを持ってる…きっと彼なら、と静かに息を吐いて目を閉じた。
焦凍くんは、きっと大丈夫だ…今は自分の事を考えよう、自分が目指す事…別にトップを獲ろうなんて強欲な事は考えてない、ただ今回の体育祭で私がしたいことは"挑戦"だ…、目を開けて爆豪くんを見る…私は彼に挑戦をする為に、今ここにいるのだから。
『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?
敵の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!!?』
マイクさんテンション高っ!!!
性格とかDJの仕事とかで慣れてるんだろうけど持ち上げすぎじゃないかな!!?B組とか他の科とか説明もそこそこに入場させてる…ちょっと待って、ヘイトすごいA組に集まっててとてもつらい…っ!!
「せんせー、俺が一位になる」
「絶対やると思った!!」
そしてこの選手宣誓である…爆豪くううん!!?そういうとこ嫌いじゃないけどA組の皆も巻き込んでそういう事言わないで!!ブーイングすごい!!
心の中でひたすら叫ぶ…もういい、この気持ち全部種目にぶつけよう…八つ当たり?私の"個性"は言い直せば大体八つ当たりになるから問題ない、いつもの事だ…だから昔は自分の"個性"が嫌いだったんだから。
そうこうしてるうちに第一種目が決まった…今年は障害物競走らしい、この予選を通過しないと一対一の対決ができる最終種目に参加できない…爆豪くんならそこまで必ず来るだろう、そこで爆豪くんに当たるまで、私の努力次第で目的が達成されるかが決まる…運が悪ければ焦凍くんとも戦う羽目になるけどまぁ…それはそれで別に良いんだけど、できるなら爆豪くんと一対一の本気の勝負がしたい。
だから予選とはいえ頑張らないとな…障害物競走…さて、どうしようか…。
ぞろぞろと11クラスがスタート地点前で位置につく…しかし明らかにスタートゲートが狭い事に気が付いた、なるほど…それならできるだけ前に位置につこう……走る前に人酔いしそうだから早くここから離れたい。
スタートゲートに付けられた信号の色が変わりスタートの合図が響く…のと同時に足元に冷気を感じたので"個性"を使って小さな炎を自分の足元に作った…うわ!あぶなっ!!人が多くて気付かなかったけど焦凍くんが近くにいたらしい、すぐに地面を凍結しながら走って行くのを見る…やっぱり足速いなぁと思いつつ私は普通に走って後を追う。
クラスメイトの皆も慣れているから難なく突破していた…皆すごいな。
『さーて実況してくぜ!解説アーユーレディ!?ミイラマン!!』
『無理矢理呼んだんだろが……』
待って、消太くんが実況してくれるなんて聞いてない、私頑張る。
結構不純な動機で動いてるなとか言ってはいけない…。
back /
top