ボンゴレ

部屋は長方形で、壁には先程のエンブレムがでかでかと飾っており、そのエンブレムの中心にはサイヤ人のように重力を無視した栗色の髪、瞳は栗色で…人の事は言えないが、かなり童顔な顔つきをしている。
そんな人物を中心にし、左右に三人ずつ男性が椅子に座っていた。

「お帰り、姉さん」
「え?」
「ただいまツナ」

己の名前を呼んだ人物はその瞳を細め、己の傍に立っている少女を見る。
明らかに青年よりも小さな少女のことが姉?訳が分からない…。バーボンは混乱のあまりふらっと立ちくらみを起こす。

「あぁ…ランボ彼に椅子を」
「はい、ボンゴレ」
「姉さんはそろそろ薬きれるだろう…着替えてきたらどうかな?」
「そうね、じゃ任せるわ」

そういって彼女は扉から出ていった。
一方残されたバーボンはこの一室で混乱している頭を必死に整理しているところだった。
そんな時、またもや扉が開かれた。視線を後ろに向ければそこには…。

「ま、松田!!」
「ふふ、降谷!!」

警察学校時代同期だった仲間がいた。
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「とりあえず自己紹介するか!!」

そう言ったのは短髪で黄色のネクタイをし、左右の手に包帯を巻いた男だった。
バーボンこと降谷は瞬時に彼が誰なのか判断した。

「笹川…了平?」
「む、俺のことを知っているのか?」

降谷は縦に頭をふる。
彼は笹川了平、今ボクシング界で彼のことを知らないものはいないという。
降谷が笹川に好気の眼差しを向けているときだった。
コンコンと扉をたたく音がし、ゆっくりと木製の扉が開かれた。

「お待たせ」

そう言って入ってきたのはハニー色の髪をした橙色の瞳を持った女性だった。
服装は黒のワイシャツに橙のネクタイ、黒のスカートに黒のニーハイを履いていた。
入ってきた女性に降谷と松田の視線はくぎ付けだった。

「え…」
「まさかガキンチョ?」
「ふふふ、そうですよ」

三雲は笑いながら弟のいる場所に歩みを進める。
彼女からの言葉に唖然とする二人。

「さ、全員そろったので笹川さんの言った通り自己紹介をしようか。
まずは…ランボから」

名指しされたのは先程降谷に椅子を持ってきた青年だった。
青年はリングの付いた右手を左胸…心臓のある位置に持ってくる。

「ぼ、ボンゴレファミリーかっ、雷の守護者ランボです」

「同じくボンゴレファミリー晴の守護者、笹川了平だ!!」

「クフフ…ボンゴレファミリー霧の守護者、六道骸」

「…ボンゴレファミリー雲の守護者、雲雀恭弥」

「ハハハ、ボンゴレファミリー雨の守護者の山本武なのな」

「ボンゴレファミリーボスの右腕で嵐の守護者、獄寺隼人だ」

「ボンゴレファミリー十代目ボス、沢田綱吉です、そして…」

「ボンゴレファミリー十代目ボスの姉の沢田三雲です」

そう言って彼らの指に付けた左胸に置いた右手のリングからそれぞれの色の炎が灯る。

雷は緑、晴れは黄、霧は藍、雲は紫、雨は青、嵐は赤、大空は橙…。
それは空にかかる虹の色をしていた。