沢田家
「あぁあああ!!そうだ!!父さん!!アサリ、父さんに至急繋いで!!」
【はい、ボス】
綱吉はハッとすると急いでアサリの名前を呼ぶ。部屋にアサリの声が聞こえプルルルル…とあの独特な音と共にテレビの電源が入る。そしてピッという音共に彼女達に似た一人の男性と女性が現れる。
『おー、どうした我が息子よ』
「父さん!!大変なんだよ、姉さんが結婚するって!!!」
『そうかそうか、結婚か……な、なにぃいいい!!??』
『あら、三雲ちゃん結婚するの?』
「やぁ母さん、でも結婚を前提に付き合う所からよ」
『どこの男だぁあああ!!』
「父さん落ち着いて」
『あらあら、孫の顔も楽しみだわ』
「姉さんが落ち着きすぎなんだよ!!しかも母さんも話進めないで!!」
一言いうなら正しくカオスだ。
女性陣はほのぼのと会話を楽しんでおり、逆に男性陣はギャーギャーと騒いでいる。
本当に似ている家族だ。
『おい、男はどれだ?』
「…僕です。警察庁警備局警備企画課の降谷零と申します。今回は娘さんである『あー…なるほどな』え?」
『もういいってことよ』
沢田家光は先程とは違い真剣な瞳を彼女と同じ色の橙色の目を降谷に向ける。
そして、降谷の隣にいる娘である三雲を見る。
『お前はそれでいいんだな?』
「えぇ、後悔しないわ」
『…そうか、なら俺からはいうことはねぇ』
『ふふふ、三雲ちゃんの見る目は本物だからね』
『あぁ、と一つだけ…降谷零って言ったか?』
「はい」
『お前は三雲と日本の国民の命共に危険に晒されたら…どちらを選ぶ』
家光の質問に緊張が走る。
結婚する側としては彼女の命だと答えたほうがいいのだろう。
だが降谷は警察だ。己の命よりも国民の安全を護るのが仕事だ。
「正直に…」
横に立った彼女からボソッとそんな言葉を投げかけられ、降谷はバッと彼女を見る。
彼女は橙色の瞳でジッと己のことを見ていた。後押しされるかのように降谷の蒼い瞳に一つの覚悟が映る。
彼女はそれを見ると、己の目を細め画面の方に目を向ける。
「正直に言います…俺は国民の命を取ります」
『…』
「勿論彼女の命も大事です…だけど彼女の命を優先しても彼女は決して喜ばない…そう思うのです」
その言葉は少なくとも三年共に居て分かったことだ。
潜入理由に関しても彼女は己の仲間が死に、その他大勢が危険に晒されることを危惧し、自分がその役を買って出たという。
他にも我が同僚の松田に関しても一人の命で、大勢が救えるならそうすればよかった物の、降谷とのつながりがあるから…という理由だけで松田を救い、またその他大勢の命も救った。
高野こと天野に関してもそうだ。
これからのことを見据えて、彼を救った。
そう言った彼の意志の強い蒼い瞳を横目で見て彼女は笑みを浮かべる。
それは家光も綱吉も同じだったようで、二人も笑みを浮かべる。
『合格だ…零くん』
「え…」
「それが正解かはわからない…でもボンゴレからすると正解よ。
大衆の命より私の命を選ぶなんて馬鹿げているわ。
私は自分の命は自分で守れる力はあるのよ」
「姉さんは人に護られるのが嫌いだからね…」
「護られる女ってのも可愛げあるが、共に戦う女ってのはまた悪くねぇってことだ」
「リボーンそんなこと言うなよ…姉さんだって護られるべき女性なんだぞ」
「へなちょこツナがいうようになったじゃねぇか」
そんな言葉を聞きながら三雲は我が父をむくれた顔で見る。
あんな質問するなんて本当に我が父は意地悪だ。
『まぁ結婚するにも付き合うにも直接あいさつはしろよ』
「えぇ、もちろんよ。
彼の休みが取れ次第イタリアに行くわ」
「…忙しい身ではありますが、早めにご挨拶に伺います」
こうして二人は付き合った時間は皆無の婚約者という形に収まったのだ。