再会

そのあと彼らはイタリア観光をしながら時間を過ごした。
本格的なイタリア料理を堪能したり、美術館を巡ったりして過ごし、降谷と三雲は彼女の父親と母親と綱吉を交え食事をしたり過ごしていた。
夜はそれぞれの部屋で思い思いに過ごしており、降谷と三雲は彼女イタリアにいるときにが使っているという部屋にいた。
ソファーに座って九代目に貰った黄色のリングをジッと見る降谷。
そんな降谷に紅茶を持っていく。

「リング…気になるの?」
「あ、あぁ…覚悟で炎が灯ると九代目は…」
「こうゆうことよ」

三雲は右手の中指にオレンジ色の指輪を通し、グッと拳を握る。
そうすれば、ボゥという音と共に橙色の炎が灯る。

「これは死ぬ気の炎と呼ばれるもの。
己の覚悟が本物であれば火を灯す。大空は橙、嵐は赤、雨は青、雷は緑、雲は紫、霧は藍、そして日は黄を」

ジッとリングを見る降谷に彼女は笑う。

「貴方が覚悟を示し、その覚悟を全うしたい時つけてみれば?
そうすればリングは答えてくれる」

その言葉を残し、彼女は「先に寝るわ、お休み」と寝室に消えていった。
しばらくリングを見つめ、降谷はリングと共に九代目からもらった匣を見た。
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一夜明けた今日、紹介したい人がいるとのことで、庭に連れてこさせられた。綺麗に整備された庭には様々な花が咲き乱れ、それは一つ一つ丁寧に管理されていた。そしてそんな庭を5人の子供たちが駆けまわっていた。それを遠くから見守るようにいるのは、ごつい体格の男たちと母の眼で見守るメイドたちだった。その光景はマフィアグループにとっては違和感を覚える光景だった。

「あの子達はマフィア同士の戦いに巻き込まれた子供たち…」
「行く当てのない子供たちを九代目、十代目は引き取り、家族として育てているのです」

子供たちは彼女等に気が付くと嬉しそうに駆け寄ってきた。

「ボスに姫様!!」
「ボス!!いつ来たのですか!!?」
「いつまでいるの?」
「ねぇ、この人がお嬢の結婚相手?」
「俺と同じ肌の色だー」
「この人俺と同じ髪ー」
「天野、だっこしてぇー」

ワイワイと話しかけてくる子供たち一人一人に言葉をかける綱吉と三雲。子供たちの興味はボスたちから降谷や松田に移る。

「こらこら、そんな質問攻めしてはボスとお嬢と天野、お客人たちが困ってしまうぞ?向こうで遊んできてみてはどうだい?」

突如聞こえてきた第三者の声。
その声に聞き覚えのある二人はバッと視線を上に上げる。そこにはニコニコと人の良さそうな長めの黒髪を一つに結った男がいた。降谷と松田は声が出ず、口をパクパクと開いたり閉じたりしていた。

「えー、ハギはー?」
「俺はお客さんとお話があるんだ」
「分かったわ、向こうで遊んでくる」

そう言って子供たちは駆けだしていった。
そして男は降谷と松田を見て笑う。

「久しぶりだな、降谷、松田」

その言葉を聞いた瞬間二人は抱き付くように彼にとびかかった。