怪盗から
会議が終了したため、あとは天野に任せて帰宅しようとすれば、イヤホンから流れるアサリの声。降谷…安室の方から電話がかかってきたとのことだった。すぐに繋いでと言えば聞こえるブツという独特の音から安室の声が聞こえる。
「え?迎えに?」
『えぇ、名古屋で降りるはずでしたがちょっと事件がありましてね』
「ふーん、まぁいいわ。今並盛にいるから少し時間はかかるわよ」
『大丈夫ですよ、今から事情聴取があるらしいので…ゆっくり来てください』
「OK、場所だけスマホに送って」
『お願いします』
ピッと耳から音が聞こえ通話が終了したことを伝えた。そのあとスマホがブブブと震えたため、アサリに案内を頼み、愛車の待つ車庫に向かう。
愛車であるオレンジ色のボディを持つGT-Rに乗り込み、エンジンをかける。ブォンと独特な音が鳴り、モニターに愛車の情報が出る。そしてリボーンによって鍛えられ、とある大怪盗もお墨付きの運転技術で町中を進む。
ーそう言えば、おじさま元気かしら?
しばらく進んだ時にまたもや着信を知らせる音が…。
「誰?」
『…ルパン様からです』
「おじさま?…繋いでくれる?」
『はい』
なんとなく考えていた人物からジャストタイミングで電話がかかってくるとは…そんなことを思っていれば元気な明るい声が聞こえる。
『は〜い、三雲ちゃぁ〜ん元気?』
「元気ですよ、おじさまも元気そうで何よりです」
『ぬふふふ〜、あ、そう言えば聞いたよ〜』
「何をです?」
『婚約者できたって?しかも黒の組織に潜入中の公安』
「そこまで分かっているなんて流石おじさま」
そう言って褒めれば電話向こうのルパン三世は、でへへ…と声を上げる。
ルパンことルパン三世との出会いはまだ三雲がイタリアにいた時だった。
依頼主から大空のボンゴレリングを奪うように依頼されたルパンは、そのたぐいまれな技術を駆使し大空のボンゴレリングを可憐奪い取っていた。勿論ボンゴレ内に焦りはなかった。大空のリングは必ず戻ってくる。
そして案の定ボンゴレリングを持ってきたルパンは一言「やっぱいわくつきの代物だったか〜、そして嬢ちゃんはそれが分かっていて俺っちにわざと盗ませたってわけねぇ〜」そう言ったのだ。
それからだ。
なぜか関係を持つこと数年。向こうは自分のことを妹のようにかわいがってくれるようになった。
「それで、おじさまそんなことでお電話したのではないのでしょう?」
『ぬふふふ〜、さっすが三雲ちゃん♪じゃぁ何の用でしたと思う?』
「あら、ノーヒントですか?」
『ぬふふふ』
「(おじさまがいる国がヒントになりそうね…)」
三雲は「アサリ」と名前を呼べば彼女の声で【ヴェスパニア王国からです】とGT-Rのモニター画面に文字がでる。
「ヴェスパニア鉱石…」
『…本当何なのよ…その超直感。
今回ヴェスパニア鉱石がとあるマフィアグループによって他国に流れている可能性があるらしい』
「マフィア?それは…分かりました。マフィアに関してはこちらで早急に調べます」
『頼むね』
ヴェスパニア鉱石…それはヴェスパニア王国にしかない特別な鉱石で、レーダーに発見されにくいステルスをパーフェクトにできる物質だ。それがもし戦争などに使われれば、たちまち全世界を巻き込み、第三次世界大戦へとなる。
組織のことも重要だが、この鉱石の方が優先させた方がいいのかもしれない。
今回組織に関わっているのは、技術班、研究班、門外顧問…ならば特殊部隊を動かした方がいいのかもしれない。
「おじさま、詳しいことが決まりましたら連絡くださいませ。
私とボンゴレ独立暗殺部隊を動かします」
『…ヴァリアーを動かすの?』
「えぇ、世界規模になる前に…裏の者は裏の者が片付けます」
『…OKだ』
そう言ってから電話は切れる。
ヴェスパニア鉱石を他国に高額な金額で渡しているはずだ。家に帰り次第すぐに調べねば…。まずは無いと思うがボンゴレ、その後はキャバッローネなどの同盟ファミリー…その後に傘下のファミリー達、それから敵対ファミリー達だ。宮野志保に接触して、夜は調べもの…これは徹夜だわ…。
あぁでも宮野志保の接触は後回しになりそう…。
そんなことを考えていれば、アサリからのアナウンスが入る。
【マスターもうすぐ着きます】
「OK」
見えてきた建物の門には見慣れた男がいた。
ーあぁ…彼にばれないようにはどうすればいいかしら…