集結

東都水族館へつけば、降谷はすぐさま礼を言って降りて園内に入っていく。

「あらら、インカム渡してないや」
「…どうせ向かう先は一緒でしょう、さ行きましょう」
「はーい」

三雲はすぐさま車から降りると、指輪に炎を灯し、霧を発生させる。その霧に紛れて彼女達は園内に侵入するために動き出す。三雲はインカムの電源を入れれば、すぐさま彼女達を監視しているだろうリボーンに状況を聞くことにする。

「リボーン」
『終わったか…ボウズのことはバジルに任せた…今キュラソーは記憶喪失は変わらず。レイの部下だろうな…今から公安と共に東都水族館の観覧車に乗るようだ…と、アレは毛利蘭と鈴木園子だな』
「毛利さんの娘さんと鈴木財閥のご令嬢ね…あの子達もよく巻き込まれること…」
「バジルさんはどうですか?」
『三雲殿、萩原殿、コナン君ですが、FBIと接触後、東都水族館に向かい、今着いた所です』
「はは、ってことは全員集合ってか?どうしますお嬢」
「OK、私は赤井さんと合流するわ、彼も恐らくこの水族館の観覧車に居るはずだし…リボーンは引き続き、キュラソーを見てて、赤井さんと合流した後私もそちらに向かうわ」
『了解したぞ』
「バジルはそのままコナンくんを護って」
『畏まりました』
「萩原さんは道具を持って私と一緒に行くわ」
「はい」

萩原のその言葉を最後にインカムの通話は切れる。霧が濃ゆくなり始めて彼女等は園内に侵入する。
そのまま観覧車の立ち入り禁止の所から内部へと侵入を成功し、今までペアリングを断っていた赤井に連絡をする。

「赤井さん?」
『三雲か…君はすごい腕前を持っていたようだな。まさかあの一瞬で3発も決めるなんて…どういう仕組みか後で聞こうじゃないか』
「ふふ、ありがとう。師匠が素晴らしかったのよ。貴方も見事なピッキングだったわ」

赤井はその言葉にフッと笑みを漏らす。

『君も来ているんだろう?』
「えぇ、今向かっているわ…とあれはコナン君?」
「三雲さんっ!?なんでここに!?」

赤井との通話を強制終了させて観覧車の内部に入り込んできたコナンに彼女は視線をやる。
コナンはコナンで驚いたように声を上げ、近づいてくる。

「それはこっちのセリフよ…って言いたいけど君のことは既に報告が上がっていたのよね」
「え…」
「まぁいいわ、どうしたの?」
「これ見て…」

コナンがそう言って見せたのは消火栓が置いてある箱の横だった。

「…なるほどね」
「三雲さん…流石に爆弾解体はできないよね」
「できないわね…反対の車軸にもあるってことかしらね」
「…恐らく」

コナンはすぐさま何かに気づいたようで、バッと立ちあがって階段を上る。
三雲はすぐさまコナンの様子を見て、影からスッと現れたバジルを見る。

「コナン君からはいったん離れて、民間人の避難に入って」
「畏まりました」

バジルはそう言うとスッと姿を消す。

「萩原、聞いていたかしら?」
『えぇ、こっちにも爆弾はごまんと仕掛けられていましたよ』
「大丈夫そうかしら」
『任せてくださいよ』
「なら任せたわ」
『Comprensione』

ピッと音を立ててインカムを切って、コナンが駆けあがった階段を見上げる。

「さぁってあのバカたちを迎えに行きますか」