合流

三雲がキュラソーの元に行くために走り、リボーンと連絡を取っている時だった。
いきなりすべての電気が消え、あたりは暗闇に包まれる。

「アサリ、暗視モード」
『承知しました』

インカムから片目だけだが暗視ゴーグルが出てくる(コナンのメガネのようなモノ)。それにより、彼女は戸惑うことなく走り続けることができた。
勿論三雲だけではなく、降谷、萩原、リボーンたちのインカムからも暗視ゴーグルのレンズが出てくる(赤井のにはついていない)。
降谷は「助かった」と小さく呟く。と同時にインカムに通信が入る。

『こちら萩原、サウスホイールに仕掛けられていた爆弾解除しました。これより、爆弾の撤去を行う。降谷、お前の方は大丈夫だろ?』
「あぁ、よくあるタイプのモノだからな…任せろ」
『おう』

ほぅ…と息を吐いて降谷も己の爆弾処理に取り掛かる。

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一方コナンはゴンドラから誰か出てくるのを確認した為、それを確かめるべく、ゴンドラに近づく。上からはバラバラとプロペラの回る音が聞こえてくる。
コナンが観覧車のゴンドラの中を見れば、公安の…降谷の部下である風見が気絶していた。コナンは上からやってくるオスプレイを気にしつつもゴンドラの中に飛び乗る。

「おじさん、起きて!!」

そう言って揺り動かすものの全く起きる気配のない風見に焦る。
その時だった。目の前にシュタと現れた人物にコナンは目を見開くことになる。

「リ、リボーン!?」
「よぉ…レオン、ダネルだ」

相変わらず彼の帽子の上にいたカメレオンはその姿を世界最強だといわれるライフルに姿を変える。その光景をみたコナンは口があんぐりと開いている。
そしてリボーンは標準を近づいてくるオスプレイから出ているアームの結合部に向け、銃を放つ。

ーバァアンッ!!!

「な、なんだっ」
「どういうことだい!!」
「チッ」

オスプレイに乗っていたキャンティとコルン、ジンは驚きの声を上げる。ウォッカがすぐさまサーモグラフィーで見れば、そこには子供が二人と男一人しかいなかった。ウォッカがそのことを伝えればジンは一瞬それを見て、忌々しそうに「上に上がれっ!!」と指示をだす。サーモグラフィーを見た所子供がアームを打ったと思われるが、それを撃ったやつが問題だった。あの一瞬見えた独特の巻き毛…。
もう温度も痛覚も感触も感じなくなった右手を左手で握る。

去っていくオスプレイにコナンは安堵の息を吐き、アレを退けた人物を見た。

「大丈夫かコナン?…いや、工藤新一といった方がいいか?」
「なんでそのことを知っている!?それにその銃は一体っ…!!!」
「フッ…質問は後だ、奴らはまだ仕掛けてくるはずだ。」

そう言ってリボーンはインカムで誰かに連絡を取る。

「俺だ、公安の男が気絶している、お前保護しろ」
『承知しました。リボーンさんはどちらに向かいます?』
「俺は…生意気な名探偵の護衛でもしてやるよ」
『ふふふ、分かりました』

バジルのその返事を聞いてリボーンは軽々とゴンドラから出ていき、コナンに手を伸ばす。

「そいつは俺達の仲間が保護する…ほら来いよ」
「あ、あぁ」

そう言って二人はゴンドラから脱出をする。
その後雨イルカに乗ってバジルは風見を救出したのだった。