共闘

一方で三雲はラルからの連絡に応答しつつ、観覧車のてっぺんにたどり着こうとしていた。

「え!?キュラソーと灰原哀が?」
『あぁ、どうやら二人で子供たちを救出するようだ…どうする』
「どうするって…キュラソーは組織から逃げようとしていたんでしょ?」

三雲の声に彼女は頷きを返し、暗視ゴーグルで見ている風景をそのまま伝える。
灰原哀を助けたキュラソーは彼女と共に子供たちがいる方向へと走りだしていた。

「…仕方ない、ラルはキュラソーを護って」
『いいのか?』
「もし、キュラソーが本気で子供たちを助けるというなら、恐らく囮でもなるわ…それにキュラソーは組織にとって消したい人物…それを失えば世界がずっと混乱のまま」
『…そうだな、匣の使用は?』
「許可する…全ファミリーに次ぐ、キュラソーを確保から保護に変更!!決して死なすな!!」

全員から返事が来たと同時に、いきなり弾丸の雨が降り注ぐ。

「!!始まったっ!!爆弾処理は!?」
『『完了している!!』』

すぐさまインカムを飛ばせば二人から完了の合図が出る。それに安堵しつつ弾丸の雨を避けていれば、途中から攻撃パターンが変わり一点に集中しだした。
三雲はすぐさまラルに連絡を取れば、案の定キュラソーを狙っての攻撃のようだ。
ラルの匣兵器は雲蜈蚣…そう簡単にはやられないだろう。それよりもこの弾丸の雨をどうにかしなくては。
銃が一か所に集まっている今動くしかない!!

ラルはキュラソーを追って走っていた。
銃弾があれ程集中しているのに彼女はその可憐な動きで全て避けている。
ラルは素直に感心し、ぜひとも我らの門外顧問へと入ってもらいたいものだ…。
そして飛び降りたキュラソーに向けて弾丸の雨が降り注ぐ。
ラルはすぐさま匣から雲蜈蚣をキュラソーに向けて飛ばす。

「!!!」

キュラソーは、いきなり自分を覆った蜈蚣に驚くが、背後から降り注ぐ弾丸の雨護ってくれる蜈蚣に感謝しつつキュラソーは水の中に飛び込む。
それを見ていたウォッカはジンに任務完了を告げる。だがジンは「まだだ」と呟き、コルンに車軸の爆弾を狙うように指示する。

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「赤井さーん、安室さーん」
「こっちだ」

コナンとリボーンは二人を探して歩いていた。すると聞こえた声にコナンは安堵し、赤井と無事合流した。
コナンはすぐさま降谷たちの安否を心配するが、赤井は「分からない」と言葉を返す。

「それより、その子供は…?」
「赤井秀一だな…俺のことは気にするな」

赤井は何時の間にか増えた子供に対し、疑問を持ちながら見ているが、リボーンがは身を隠しながら外をジッとみていた。
そしてふと何かに気づいたように赤井を見る。

「どうやらその暗視スコープは壊れたようだな」
「あぁ…瓦礫が当たってしまってね」

リボーンは「そうか」と小さく呟いて聞こえてきた音に視線を上にやる。

「そのライフルは飾りですか!?何か反撃の方法はないのか、FBI!!」

赤井とコナンが聞こえた声に視線を上げれば、そこには赤井のライフルケースを背負い、彼の傍には一匹のチーターを連れた降谷がいた。

「あ、安室さん!?そのチーター何っ!?」

安室の無事よりも横にいるチーターが気になったコナンは思わず声が裏返った。
赤井はそれに目を見開いたもののすぐさま反撃内容を伝える。

「それなら俺が撃ってやる」
「私も撃つわ、リボーン」

リボーンの声の後に聞こえた声にそちらを向けば、三雲が器用に赤井方面から登ってきた所だった。

「撃つって…三雲さん銃持ってないじゃないか」
「…誰が持っていないのよ」

そう言って三雲は右手についているリングに炎を灯し、それをウエストポーチから出した橙色の匣に差し込む。
すると甲高い音を立てて一羽の鳥が出てくる。
コナンはその鳥に見覚えがあり思わず「あっ」と声をだす。

「「ライファーン(レオン)形態変化」」

リボーンと声が重なれば、それぞれの相棒は姿を変える。
リボーンの手には黒いライフル、三雲の手には白いライフルがあった。その光景をみてコナンと赤井は目を見開く。そして赤井は小さく呟く。

「まさか昨夜、キュラソーが乗っている車を撃ったのは…」
「あぁ、俺達だぞ」

そう言いながらリボーンは標準をオスプレイに合わせる。

「ほら、安室さんは爆弾を投げて灯を!!コナンくんはオスプレイの体制を少しでもずらして!!赤井さんは私たちと一緒に破壊するよ!!」

三雲の指示で、すぐさま三人は行動を開始する。
それを見てリボーンはフッと笑みを浮かべるのであった。

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長くなったので次に…