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「ではあなたの名前はこれからコラソンでいいか?」

ドラゴンはすでにそう呼ばれているコラソンに目を向ける。
それに意見はないようでコラソンは頷く。

「ど、ドラゴンさんこれからよろしくお願いします!」
「あぁ…宜しく…シャルあとは任せたぞ」
「アーイ」

ドラゴンはそういって部屋から出ていくのを見送ってシャルはコラソンとローを見る。

「それじゃ、これからの事を話すね…
ローは医療の勉強をする事と、オペオペの実の訓練。
これに関してはこのくまと修行して。
私超人系じゃないから適切なアドバイスできないの…コラさんでもいいんだけど彼は別のことを頼むから…」
「…よろしく」
「よろしくお願い…します」

ローは身長の高いくまを見上げながら礼をする。くまは一度だけポンとローの頭をなでる。

「んで、コラさんはケガを治した後、戦争で保護した子供たちの心のケアをしてもらいたいの」
「心のケア…」

コラソンの言葉にシャルは頷く。
戦争によって親を、友を知人をなくした子供たちにとって心に負った傷は大きいものだった。
ある程度ケアはできてもシャルは幹部の一人。最後までケアができず状態が続いている。
それに子供たちの中には知らない大人に対して警戒をしており、心を全く開こうとしない。
幹部たちもどうにかしようとあれこれやっていたが…怖がらせるか、ドン引きされるかだ。イワンコフなど顔が大きいうえ、ギャグで笑わせようとするがそれがかえって子供たちの心を閉ざしてしまう原因にもなっていた。
寡黙なくまは論外。ドラゴンもその手はダメ。
それでコラソンに白羽の矢が立ったのだ。
彼は子供も好きだし、何よりそのドジなことが子供の心を癒すことができるのではないのかと考えたのだ。
そこまでシャルの話を聞いてコラソンは一つ縦に頷く。

「あぁ…いいぜ、ローの心だって少しはケアできたんだ!ローに比べればそこらの子供なんて簡単なはず!」
「おい」
「そ、なら子供たちのケアは任せたよコラさん!」
「あぁ任せてくれ!」

そうドンと胸をたたいたコラソンはむせていたが、その目には覚悟が宿っていた。
そんなコラソンの前にくまはドン!!と音を立てて何かを置く。

「え…」

タワーとなったそれは本やファイル。ローは唖然とするコラソンをしり目に本をパラっと開く。

「…精神学、こっちは行動学…それに教育学、カウンセリングの本」
「こっちのファイルは子供たちの情報…名前から生年月日、年、身長体重その他もろもろの情報が載っているわ」
「コラさん、カウンセラーになるんだな」
「そゆこと!!コラさんにはカウンセラー兼保護した子供たちの親になってほしい」

シャルの言葉に唖然とする者のコラソンは二カッと笑い「あぁ!!」と返事をする。
その言葉にシャルは笑みを浮かべる。

「と、同時にもしもの時は子供たちを安全に脱出させてほしい」
「…」
「ここもいつ海軍や政府にばれるかわからない…その時はコラさんの能力で脱出して欲しいんだ。
もちろん私たち幹部の誰かが付くことになるかもしれないが、最悪…コラさん一人で子供たちをこのログの指す島に行ってほしい」

そういって渡された永久指針。
コラソンはこの指針が指す島を知らない。だがシャルは大丈夫だと断言する。

「いや、シャル俺が心配していのは、その島まで何事もなくつけるか…なのだが」
「確かにコラさんだとドジって船を沈めそうだ…」

ローの言葉にシャルはクスクス笑う。

「そこらへんも大丈夫だ」
「船には一匹の巨大な生き物が付いている」
「「生き物?」」

くまの言葉に二人は驚愕の表情を浮かべる。
実際見てもらった方が早いと思った二人は甲板に二人を連れていく。