個性の一卵性


その日、高校を卒業してから年に一回程度しか帰らなかった俺たちの姉の泣き声が、家に響き渡った。

「うぇえええええ!!おかぁあさぁん!!!」

「はいはい、好きなだけ泣きなさい。母さん聞いてあげてるから」

なんだなんだと、ざわつくのはのこった男ばかり7人で。
目線のあった母さんどっかいけと手を払う仕草をするものだから、しぶしぶ二階に身を寄せる。
父さんは、居間に行ってしまったが、二階にいても居間にいても、家のどこにいたとしても姉さんの泣き声は耳に入ってくるほどに大きかった。

「姉さんどうしたの?」

「フラれたんじゃね?」

「え?結婚は?」

「姉さん大丈夫かな…」

「あ、やっぱりフラれたっぽい」

「母さんに任せるしかないでしょ」

薄情な弟たちは各々に自分勝手な事を呟き、鳴き声をBGMに時間を経過させる。
好きなように生きてきた。
好きなように過ごしてきた。
考え方も、身の振り方も、好みも違う6人になった。

「また、姉さんがぼくたちのところに帰ってきた」

ただ、それだけはむつごらしく同じ事を思って


end
20160401

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